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013. ねがい





   − もし、叶うなら−


このぬくもりも絡ませ合う指もすべてが自分に向けられるものならばいいのに−



互いに視線を絡ませ、一時の烈情が始まる

心を伴わないこの行為がただの無意味なことだとわかっていても、それでも貴方と触れ合えることが嬉しくて、終わらせることなんて出来やしない。

がむしゃらに求めて、この時ばかりは触れることを許してくれるから、背に腕を回して強く抱きしめる

  「ね、言ってください」

そうねだれば貴方は僕を溺れさす言葉をくれるから

それが、その場凌ぎの睦言だとわかっていても心は歓喜に震える

本当に伝えたい人の代わりだとわかっていても−

あぁ、この思いが叶えばいいのに…




  「ね、言ってください」

そう求めてくるコイツはいつも寂しそうで。
本当に言ってほしい人は別にいるのだと知っていても言わずにはいられない。

本心を込めても相手に届くこと等ないとわかっているのに。

   「好きだ」

あぁ、おまえの心に届けばいいのに…

伝えた後にふとあらわす寂しい笑顔が胸をえぐった


ごまかすように、性急に触れていく。
この行為がお互い思い合っての事なのだと嘘でも思えたら幸せなのに−

―体だけでもいいと思ったのに心さえも欲しくなる―




−−−−−−−−−−−−−−

神→→←←アレ
思い合ってるのにお互い違う人が好きだと勘違い。



あきゅろす。
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