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嫌いなアイツ(カム沖←土)
優しく頭を撫でられる感覚で目を覚ます。



辺りを見回すとふてぶてしく煙草を吸っている土方と目が合う。

何で居るんだ?
ていうか煙い。
何人が気持ちよく眠っている側で大量の煙草吸ってんだよ。そのせいで辺りは煙りが漂い本気で不愉快だ。


土『起きたか』


沖『アンタのせいで起きちまいやした。後その煙草やめなせェ』


土『わりィ。ちょっと煙草吸いたくなったから』



沖『なら縁側で吸いなせェよ!いちいち俺の部屋で吸いやがって…煙いんでさァ。窓ぐらい開けろ!何だコレ嫌がらせか?』


一気にツッコムと勢いよく窓を開ける。

部屋の中で貯まっていた煙りは勢いよく窓から出ていく。


折角今日は神威と会う約束してて気分良かったっていうのにどっかの馬鹿のせいで気分は最悪だ。


土『オイ。どっかの馬鹿って誰の事だ』

沖『人の心読んでんじゃねェ馬鹿』


盛大に溜め息をついて扉を開ける。


土『何処行くんだ?』


神威の所、何て言えるはずもなく『ちょっと外の空気吸ってきまさァ』と言ってごまかす。


土『待て』

土方におもいっきり腕を捕まれて痛さに顔が歪む。


沖『離してくだせェ』

そう言っても一行に土方の腕の力が弱まる事はない。

土『チャイナ娘の兄貴の所行くのか?』

土方の言葉に思考が停止する。

今何て言った?

チャイナの兄貴の所に行くのか?土方の言葉を頭の中で何回も思いだす。


土『前にお前の後をつけてた時に見ちまったんだよ』



沖『土方さん…それストーカーって言うんですぜィ』

笑って見せても内心ヒヤヒヤだ。


何で土方は俺をつけるような真似をするんだ。

しかもストーカーだなんて陰湿な


アンタに恨まれような事をした覚えは…………あるな。

今普通に考えても10何個思い浮かぶ。

ちっ


こんな事ならもっと土方に優しくしとけば良かったなと柄にもなく考えてしまう。


土『キスしてる所も抱きしめあってる所も見た』

何だそれ



ほぼ全部見られてんじゃん…


沖『アンタね…そういうのは見ても心にしまっておくもんでさァ』



もう言い逃れも出来そうにないし、このまま全部言ってしまおうか?

嫌ダメだ


土方はクソ真面目だから俺と神威と恋仲って聞いていい思いはしないだろうし


何より俺と神威は…



土『あいつとはもう会うな』


沖『嫌でさァ』



土『敵同士なんだよ』


そんぐらい知ってる俺と神威は敵同士だと言うぐらい。

それでも好きになってしまったんだ仕方ないだろ?



知っていたのに改めて土方に言われると泣きそうになった。

敵同士なんだよ。

土方が言ったあの言葉…

俺にとってどれだけ重みのある言葉か土方は知らないだろ。

土『行くな。頼むから』


悲願するように俺を見つめる土方。

沖『すいやせん』



謝って屯所を出ようとするけど土方によって阻まれる。


沖『何何でィ!アンタには関係のない事だろ……!?』


いきなり手を引っ張られ土方の腕の中にスッポリ入ってしまう体制になる。


じたばたと暴れるけど土方の腕の力が強くなるだけ


土『アイツの所に行くな』


沖『………』


土『なぁ…俺じゃあ駄目なのか?』


沖『ひじか…』



土『俺はお前の事を昔から…『言うな』

土方の言葉を遮る。
その先を言ってほしくない。



ねぇ土方さん…


俺達は上司と部下っていう関係だぜィ。



昔から俺とアンタの仲だなんて喧嘩相手だったじゃないですかィ


俺はアンタが嫌いで仕方なくてアンタも俺が嫌いで仕方がなかった



いっつもアンタの命を狙ってる憎き相手なのに


アンタに恨まれる事をした覚えはあるけどアンタに好かれる事をした覚えはない。


その一線を越えたら駄目何でィ。


でも土方さんには俺の気持ちは伝わってなくて



無情にもその言葉は俺の耳に入ってきた。



土『お前の事が好きだ』




その瞬間俺の中の何かがキレた。


どんっ!!!


おもいっきり土方さんを突き飛ばす。


沖『土方さん止めてくだせェよ。俺は一度もアンタの事をそんな風に思ったことはありやせん』


冗談じゃないという事はこの場の雰囲気と土方さんの目で分かる。


そろでも信じれなくて信じたくなくて…

沖『すいません。土方さんの気持ちには応えられねェや』



そのまま勢いよく屯所を出る。


忘れるはずがない…


土方さんの今にも泣きそうな表情を…


今まで一度もそんな表情見せた事ないくせに



ずるい人だ土方さんは。


前方に見慣れた人影。

今までの不安を隠すように名前を呼んで胸へと飛び込む。


沖『神威』

神威は少し驚いたような表情をしたけどしっかりと受けとめてくれた。



温かい…


1番求めていた温もり


1番会いたかった人








神『お久しぶり総悟』


ニコニコ顔で俺をちゃんと抱きしめてくれる。


顔をあげれば蒼い眼と視線が重なり合う。


土方さん…


例え敵同士でも俺は後悔していやせん。


前ね、愛があればそんな壁簡単に乗り越えれるよ、って平然と神威は言ってのけたんですぜィ。


俺達が頭抱えて悩みこんでんのにおかしな話ですよね。



何考えてんだか掴み所がなくて少し乱暴だけどやっぱり最後は優しくなる



そんな神威に惚れてしまったんだから今更何て言われようと諦める気なんてない。


沖『好きでさァ』



神『うん。知ってるよ』


沖『神威は俺の事好きですかィ?』


神『愛してるよ総悟』


温もりを求めるように神威の胸に顔をうめると力強く抱きしめてくれる。


いつか…


敵味方関係なく堂々と町で会えればいいなぁと総悟は星が沢山出てる夜空を眺めながら願った。


END









何か何時にも増して意味わからないですね\(^∀^)/


まぁ何が言いたかっと言うと総悟と神威の仲は決して邪魔できないと言う事です(´・ω・`)


無敵ですね土方さんでさえ無理だったんだから



その割には土方と総悟の絡みの方が多かったような…←オイ

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