私立明天学園 28 「うっま・・・」 何を食べても美味しい。 鍋島先輩が和食、門野が中華と洋食、千里がデザートを担当していた。 それぞれが作る料理を次々に胃におさめる俺。 こんなに料理上手な高校生は中々いない。 和食・洋食・中華がバランスよく埋まっている弁当は見た目も食欲をそそる。 卵焼きだって甘いのと甘くないのとで2種類あるし、本当に至れり尽くせりな弁当だ。 「終わりました。」 千里がデザートを詰めて特製弁当は完成した。 「じゃ、俺と門野で1年生と3年生の役員回るから恵比奈は2年生頼むな。 天堂は会長のところをよろしく。」 「・・・えっ?」 あれ〜? 今、変な言葉が聞こえたよな? 聞き間違いだよな、そう、聞き間違い! 「紫音は会長に配達で間違いないから。」 「無理。 千里変わって。」 朝から会長と顔合わせるとか無理。 絶対嫌だ。 断固拒否。 散々、駄々を捏ねる俺。 「紫音、我儘言わないでくれる?」 最初は説得してくれた千里が黒いモノを出し始めたので諦めた。 千里って腹黒だったっけ? 最近、千里に押されっぱなしな気がする・・・・・・ ・ [*前ページ][次ページ#] [戻る] |