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朝の日課



「お早うございます、鳥遊様」
「はよう、チズ」


ハニーブラウンの目を細めてゆったりと微笑んだ鳥遊様は、今日もお美しい。
僕―こと隊長の花山千鶴の朝はこれを見なきゃ始まらないんだ。


「はよーざいます、鳥遊先輩」
「おはようトキ。眠そうだね」


続けてすっとずれた鳥遊様の目は僕の隣へ。そこにぼーっと立っていたのは副隊長のトキで、本名は犬飼季宗。爽やかな笑顔が眩しい!とかって親衛隊もあるみたいだけど、僕から見たらただのものぐさで爽やかさの欠片だってない。
今だって憧れの鳥遊様の前だっていうのに隠しもせずに欠伸をしてる。


「トキ!」
「ふわっ」


牽制するために少し高い位置の頭を叩けば、ぺちんっと良い音がした。その衝撃で目が覚めたのか、しゃきんと背筋を伸ばす。「痛い」と涙目になっているのはスルーだ。


「ほどほどに、ねー」


苦笑を溢した鳥遊様はやっぱりお美しかった。
「今日もお綺麗!」「抱きてえー」などなど。気持ちは凄くわかるけど、あんまりジロジロ見てほしくない。鳥遊様が減ってしまう気がする。


「行きましょう」
「ん」
「はーい」


僕は右腕、トキは鳥遊様の背後に張り付いて、自然と左右に割れる人波をくぐって教室までお見送りをした。始終かかる挨拶や声にお返しする鳥遊様は、やっぱり今日もかっこよくてお綺麗だった。

これが僕ら「鳥遊様と松岡様を見守り隊」の、朝の日課。







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