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解き明かす、光11

「じゃあ問題そのに。コアに干渉するための条件とはなんでしょう」

「……」

 ディルは少しだけ思考を巡らせてみたが、思い当たる記憶はない。それ以上考えることはやめ、沈黙する。

「君、知能レベルはそれほど高くないんだね。想像力というものが欠落しているのか? まあ、本来兵器に必要ないものであるといえばそれまでだけど」

「うるせえよ」

 いいから早く答えを言え。瞳でそう訴える。

「はあ、思考の停止は可能性の放棄であり進化への敗北だと言うのに……。先ほど見せたように、コアの破壊はそのまま存在の消失につながる。それを簡単に行わせないために、コアはそれと同等以上の力でないと干渉できないようになってるんだ。コアは世界の構造と深く結びついてる。コアという土壌の上に、この世界が成り立っていると言ってもいい。それをひっくり返す力だ、この世界の理にさえ影響を及ぼせる、神の如く力でなければならない。そんなものがこの世界にあふれているはずがないからね」

「神の力……ずいぶんと漠然としているな。しかし、それだとおかしくないか。コアを破壊することは神くらいしかできないと言うことだろう。お前が神には見えないし、どうして俺たちがコアを持った獣を倒せたんだ」

「まあ、僕がコアに干渉できた理由は簡単だよ。コアを破壊するならば、コアを利用すればいい」

 どういうことだ? ディルは眉をしかめる。

「言ったでしょ、同等以上の力って。つまり、コアの力であればコアに干渉ができるんだよ。二つのコアをぶつければ、より優位な方が打ち勝つ。それを利用したんだ」

 石と石をぶつければ、より硬い方が残る。それと同じ原理なのだろうが、そもそもコアを利用すること事態が簡単なことではないだろう。軽く言っているが誰でもできることではない。

「君たちがコアを破壊できた理由としては、これは推測なのだけれど。獣たちが有するコアはおそらく、本物に近い模造品だ。再生限度も耐久値も、本物より遙かに劣る。だからこそ、ただの人間でも破壊できたのだろう」

「模造品……偽物と言うことか」

 先程見たコアは手を加えてはじめて目で見ることができた。それと違い、有核生命の持っていたコアにははじめから実体があった。本物と模造品、二つを分ける違いなのかもしれない。


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あきゅろす。
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