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解き明かす、光2

「突然呼び出してどうしたんですか? ジオさん。わたし、この前捕まえた希少検体の解剖に忙しかったんですけど」

「うん、忙しい所に悪いね。けど、ソルア。いい話だよ。もっと面白いものを解剖できる」

「ほんとですか!」

 ソルアの表情が華やぐ。反して、ディルの表情はひきつる。不穏すぎる単語が聞こえたのだが、聞き間違いではあるまい。

「落ち着けソルア。ジオさんも待ってください。解剖ってひょっとして……その子を?」

「うん。ある程度なら好きにばらしても大丈夫だよ」

「すてき!」

「待て、ティズとの話と違うだろうが。何が『悪いようにはしない』だ、ふざけるなよ」

 解剖など冗談ではない。楽しそうに話している彼らの気が知れない。研究者というものは知識の代わりに常識的な感覚を捨て去る人種なのだろうか。
 ティズイヴの目がなくなった途端にこれだ。やはり、ろくなことにはならなかった。

「そうですよ。二人とも。素敵! な訳ないじゃないですかやめてくださいよ! どう見ても彼、普通の人間じゃないですか! 冗談じゃないですよまったく……」

 ルーラだけが青ざめた顔で、こちらに同調してくれた。生きた人間を前に解剖してもよいなど正気の沙汰ではない。その当然な感覚を彼だけは持ち合わせているようだ。

「怒らないで。安心してよ。大佐に怒られるようなことはしないからさ」

「そんな言葉を信じると思うか」

 答えが決まった。こいつらは敵だ。こちらをただの研究対象としてしか見なしていない。無理矢理にでもティズイヴを同行させるべきだった。彼らを倒してこの場を離れることは難しくはないが、ここは敵地の真ん中だ。騒ぎを起こして存在を知られれば、それこそ逃げ場が無くなる。
 ジオの保護下であれば身の安全は保障される。その約束が嘘でないならば、どれだけ不信を募らせようと、彼の元を離れる選択はできない。
 
「言っただろう。君を調べさせてもらうって。その上で二人の知識は欠かせない。ソルアは生物。ルーラは物質。その分野において軍一の知識をもってるスペシャリストだ。専門的な知識量で言えば僕よりも上さ。大事な協力者だ。信用してほしいな」


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