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拍手ログ3

いつものように目を覚まし、時計を探そうとしたけれど身動きが取れないことに気づいた

原因はすでにわかっている。昨日一夜を共にした兄が自分を後ろから抱き締めているからだ。
これでは時間がわからないではないか、と少しむくれてみたけれどいつも同じ時刻に目が覚めるため、遅刻の心配は無さそうだ。

背中から感じる暖かなぬくもりに愛しさを感じながらも、そろそろ起きなければと声をかける

「…葵さん朝です、」

「まぁだ良いだろ…」
そう言うと少しきつく抱き締め直した。

「ちょっと葵、さん…朝の会議に遅れます」

「だってさ、桔梗ちゃん…」
「何です」

私を自分の方に向け、

「離れられなくなっちまったんだよ、仕方ねーだろ」
と、ニヤリと笑ってまたきつく抱き締めた


(その日当然理事と桔梗ちゃんは仲良く遅刻しました)


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