昔のキミたち１
――…さん―
『んー…』
――…ぶ……さん―
『うーん…』
「お姉さん！！」
『……ん！？』
「あ、起きた！
大丈夫ですかお姉さん…？
こんな所で寝たら風邪引きますよ？」
『え、あ…
ありがとう見知らぬ少年』
「いえいえ！」
ったた…
何か頭と腰が痛いや…
まぁ、そりゃあ道路のど真ん中で寝ていたら腰も痛くす…………ん！？
『な、なななな』
「？
どうしたんですかお姉さん？」
なななな何で私此処で寝てるの！？
確か家に…居たよね？
家で寝てた、よね？
周りを見渡すと知らない場所…
ど、何処ですか此処！！(泣)
『ね、ねぇ少年…此処は一体ど――』
え、ちょっと待ってよ…
今まで普通に会話してたけど、この子ってもしかして…――
「え、此処ですか？
此処は俺の通っているピアノ教室の近くです
……もしかしてお姉さん迷子ですか？」
『え、えっと…違「迷子ですね？」
『……はい』
有無を言わせないこの迫力…間違えない！
「それじゃあ駅前まで案内しますよ
そこまで行けば交番もありますし」
『す、すみません…
あ、あの少年…』
「何ですか？」
銀色の髪…
クルッとはねた天然パーマ。
『あ、あなたのお名前は？』
「俺ですか？
俺は鳳長太郎です！」
…………やっぱり
昔のキミたち１
(お姉さんのお名前は？)
(櫻井…雛で、す…)
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