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01




「雛、それじゃあこのパンとぶどう酒をお婆さんに届けてね」

『はーい!
じゃあ、行って来まーす眼鏡

「せめてお母さんって言ってくれや」






色写真
Extra.黒オオカミさん達と赤頭巾ちゃん1






『ふふふ〜ん♪
大好きな大好きなお婆ちゃんの家にお使い〜♪』






あ、申し遅れました。
私の名前は櫻井雛
お婆ちゃん大好きっ子のピチピチ15歳です!


今日もお婆ちゃんに作ってもらった可愛い赤ずきんを被りながら自作の歌を大熱唱中!(迷惑)






『ふふーん♪
……此処どこかな?






産まれて15年。
ほぼ毎日、嫌がるお婆ちゃんを差し置いて家に通っていたけど…
実はまだ場所覚えてないんだよね






『うーん、どうしようかな…?
地図も家に置いてきちゃったし…
カーナビはあるけど車はないし…』






“うーん、うーん”と赤ずきんちゃんが唸っていると…






――ガサガサドダンッッ






『へ!?』

「ったた…飛んでたら木から落ちちまったぜ…」






1匹の可愛いオオカミが落ちてきました






『(か、可愛い!)』

「やっぱりオオカミはムササビになれねぇのかな…」






何か変なこと言ってるけど…
可愛いっ!!


でも、やっぱりお婆ちゃんの方が可愛いかな…?

いやいや、でもこの子も充分可愛い…


いやいやいやいや、やっぱりお婆ちゃんが…

いやいやいやいやいやいや、やっぱりこの子も…(ect)






『あの〜…?』

「クソクソ!
やっぱり喉が渇いて力がでねぇぜ…
って、ん?誰だお前?」

『あ、私は赤ずきんちゃんの櫻井雛!
あなたの名前は?』

どっちが名前かはっきりしねぇ名前だな
俺の名前はオオカミの向日岳人!
よろしくな!!」

『うん!よろしくね!!』






………ん?
今オオカミって言ったよ、ね…?


オオカミって確か…
お母さんが何か言ってたような…






「ええか?赤ずきん
オオカミつーのはなぁ年中無休発情動物やから気をつけんとあかんで?







別に良っか!






『ガックンは此処で何やってたの?』

「あぁ、飛ぶ練習してたんだ!」

『……飛ぶ?』

「おう!
俺高くは跳べるんだけど、高くは飛べないんだよなぁ…」

『……はい?』

「多分喉乾いてるからだと思うんだけどよ…
此処から川までかなり距離あるしな…」






え、無視ですか?
言っている事が今一分からない…


唯一わかるのはかなり喉が乾いてることぐらいかな?






『……そう、なんだ
あ、私今ぶどう酒持ってるけど…飲む?』

「マジくれんの!?
サンキュっ!!(ニカッ)」

『(可愛い!
コレお婆ちゃんへのだけど…良いよね!
パンもあるし、お婆ちゃん優しいから許してくれるよね!!)


うん!はい、どうぞ』






――ゴクゴクゴク―






うん、良い飲みっぷりだ☆






「プハッ!うめぇ!!」

『本当?
良かった良かった!』

「ありがとな!…




…………」

『……?どうしたの?』

「何か飲み物飲んだら腹減ってきた…」

『え!?』






ど、どうしよう…
流石にこのパンはあげられないよ…

だってあげたらお婆ちゃん怒るもん
ぶどう酒はまだ飲み物だったから良いけど、流石に食べ物はヤバいかな…


うーん、どうしよう…






「なぁ…食べても良いか?」

『え!?ごめん…
流石にこのパンはあげられないの…』

「いや、そのパンじゃなくてさ…」

『え、パンじゃないの…?』

「ん、パンじゃなくてお前♪」

『…………へ?』






食べるって……
食べちゃうんですか!?


…………いや、ちょっと待ってよ赤ずきん

相手はオオカミだよ?
待って…
どっちの意味の食べる!?




1:食べる=ヤる

2:食べる=本当の意味の食べる


両方嫌だけど、どっちかっというと1が良いなぁ






「本当、お前美味そうだなぁ
ほっぺや腹は柔らかそうだし、太ももも脂がのって超美味そ♪(黒笑)」






2の方ですか…(泣)






『って、嫌だ嫌だ!!
私食べてもお腹壊すだけだって!
下痢ピーになるだけだって!!

「お前女が下痢ピーとか言うなよ
まぁ、良いや。
それなら焼いて食うだけだしな(黒笑)」

『…………ギャアァァァァーーーー!!!!』』(逃走)

「あ、クソクソ!
まちやがれ俺の獲物!!」

『イーーヤーーダーー!!(号泣)』






***






「クソ…速すぎて見失っちまったぜ

…ッチ!
絶対捕まえてやるからな(黒笑)






――なんとか可愛い腹黒オオカミから逃げることが出来た赤ずきんちゃん…


しかし、赤ずきんちゃんの旅(?)はまだ続くのでした…


大好きなお婆ちゃんに会えるのは一体いつになるのやら…‥―






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