[携帯モード] [URL送信]
Act.28




「――…と言う訳でよろしく頼んだぞ雛」

『ワンモアプリーズ』






何言ってるんですかねこの爺
何気に初登場ですよ。
存在華麗にスルーされて28話まできたんですよ。
43才ですよ?(関係ない)
と言うか何故呼び捨てなんですか、普通に苗字でよべや。
“…と言う訳で”ってどう言うわけですか?!






「跡部から聞いてなかったのか?
まぁ良い、私が言おう
雛にはこの一週間を使って青学と立海にこの資料を渡し、そして少し偵察をしてきてもらいたい」

『……へ…へぇ?!!』






一週間部活休み!
じゃなくてじゃなくて…
偵察?青学と立海、に?




……ひゃっほーい!!
マジですか!?青学と立海?!
じゃ、じゃあ!私の大好きなあのキャラにも会えるってこと?!!


…………ひゃっほーい!!!!






『分かりました!
櫻井雛!この目にしっかりと萌…じゃなくて試合風景を焼き付けるごとく偵察してきます!
もちろん資料もきちんと届けて参ります!!』

「そうか、では頼んだぞ
あと一校届けるたびに学校に来て報告をしてくれ」

『はい!!』






うふふ…!
あー!楽しみだなぁ!!




そして私は六法全書並の厚い資料をもらい音楽室を後にした。






『デカッ!重っっ!!』






だけど私は未だ知らなかった…






『ま、いっか!んふふ〜♪』






この一週間、私に待ち受ける試練に…






色写真
Act.28:本能故の行動です






『――此処が…』






漫画でよく見ていた…






『青春、学園…!!』






ああ!感動!!
私は今、あの素晴らしい漫画の本拠地の前にいるのよ…!
氷帝に来たときも充分感動したけど、やっぱり本拠地となれば違うわ!






『……よし!感動はここまでにして…




ここ何処?






うーむ…見事に迷った。
可笑しいなぁ…校門からちょっと右曲がってまっすぐ進んだ道を更に右に曲がった先にある裏庭を通り抜けて左に曲がっただけなのに…なんで廊下にいるの?




私がいる廊下には放課後のため誰も居ず、長い通路とそれに伴い続くクラスがあるだけだった。






『1年6、1年5、1年3、1年2、1年1…2組?』






なんか聞いたことあるクラス名…。
何だったかなー?




もやもやと霧がかかったような頭。
そんな頭に痺れを切らした私は、そのもやもやの原因である1年2組を覗いてみることにした。


すると、中に居たのは…――






「スー…スー…」






テ ニ ス の 王 子 様






――タラー…―






あ、ヤバいよだれ出てきた。
だって王子様可愛いんだもん




そこにいたのは王子様こと越前リョーマ。
無防備にも寝息をたてながら学ラン姿で(ここ重要)で寝ていた




これ、写真撮ったら駄目かな…?
肖像権の侵害になるかな?
あ、漫画だから著作権か…
まぁ、写真部に入ってる時点でそんなの関係ないや(コラ)






『ではでは…』






写真を一枚…写真を二枚…写真を三枚…ってこれお岩さんだよ




と突っ込んでくれる悪友の宍戸が居ないため一人で虚しく突っ込みを入れる私、櫻井雛。






『――…こんなもんかな!』






あらゆる角度からリョーマを撮った私は、リョーマが起きないように抜き足差し足忍び足…と言う感じで廊下まで出て行った。






『――…よし!これだけあれば千雨も喜「誰が喜ぶって?」






……後ろから私の嫌いな気配。
表すならどす黒いオーラがうねうねと動いてる感じ…
黒じゃなくてどす黒ね…!


逃げれるかな?
短距離は得意だけどスタートダッシュと長期戦に持ち込まれたら終わりだけど…………うん。




『い「待ちなよ」

『ぐぇ!!?』






スタートダッシュ失敗。
更に言えば逃亡も失敗。






「俺の声聞こえなかったの?」






聞こえてますとも…
この声はまさしくリョーマだ。
萌えキャラなのに…
素敵な声なのに…
今だけ悪魔の囁きに聞こえるよ




Act.28:本能故の行動です

[次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!