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Act.2




素敵な設定かぁ…


やっぱり落下してるから、誰かの上に落ちるとか?
もしくは練習中に落ちてくるとか、誰かの目の前に落ちてくるとか!?

いや、意外にそういう感じじゃなくて、誰かの家に同居とか…!




むふふ…妄想が止まらない!






――PPPPPPPP!!―






色写真
Act.2:基本、微笑みには注意です






ジリリと目覚ましの音が部屋中に鳴り響く。


ん、朝…?






『っは!朝?
ヤバい、ご飯の支度しなきゃ!!』






生まれて10年程から始まったこの習慣。
まぁ、言いかえれば10歳から始まった習慣…。

夜は勿論、何故か朝もご飯を作るという、本当に本当に面倒くさい習慣(泣)


だけど、言い出したのは母なので反論も出来ず4年が経過し、今日も私は朝ご飯の支度をするために急いだ、けど…


そういえばトリップしたんだっけ?
なら朝ご飯作らなくて良いじゃん!

“ラッキー!じゃあもう一回寝よう”と思い、私は再び布団の中に潜り込んだ。


…………待て?
トリップをした。
しかも家の中と言えば…




夢小説の定番!誰かと同居!?
うわーい!!一体誰だ?




ガバッと勢いよくベットから起き上がり、キョロキョロと部屋を眺める私。

部屋の特徴はぬいぐるみがあったり、赤のソファーがあったり、丸いテーブルが真ん中にあったりと少し可愛い部屋。
だけど、少し散らかっていて…‥




………………




此処私の部屋じゃん。
うわー、少し散らかってるって自分で言っちゃったよ。

女の子なのにね…
駄目じゃん私、部屋掃除忠実(マメ)にしなきゃ。


……それよりトリップしてないや。
じゃあ、あれは夢だったのかな?




“はぁ…”とため息を一つ吐き、ふと机を見ると机の上には拾った本が置いてあり、更にその上には紙切れが一枚置いてあった。






『これ…リュウちゃんの本』






何だろう、この紙は?
不思議に思い紙をよく見てみると、この紙はリュウちゃんから私宛ての手紙だった…






『えーっと…何々?』







Dear,雛
此処がトリップ先での雛の家よ!
と言っても、雛の家だけど(笑)

えーっと、色々話そうと思ったんだけど面倒だから手紙ですますね♪




まず、ここは正真正銘テニスの王子様の世界でっす☆
因みに、雛は氷帝学園に転入してくる設定にしておきました!

制服は多分クローゼットあたりに入ってると思うよ\(^O^)/


他にも色々素敵な設定にしといたけど、それは秘密♪
その方がドキドキするでしょ?

あと、その設定に合わせるために所々雛の記憶を弄っちゃいました☆
ま、コレは萌の為と思えば軽い悪戯よね?
あ、そのせいで本当は旅行で居ないはずの家族も今は居るからね!




それと…
コレが一番重要よ。


私が出てきた本があるわよね?
そして、それが全て白紙なのも知ってるわね…。


その白紙のページが全部で365ページあるの。
だから、毎日日記を書いてこのページを全て埋めてちょうだい。


もし、1日でも忘れたらそこで夢のようなトリップ生活は終了だから♪
そして全て埋め尽くしても終了…。

1日でも多くみんなと居たいなら日記頑張りなさいよ!!




From,世界一美しいリュウちゃん







『………………』






一体どこに突っ込んだら良いのやら…。




先ずはクローゼットを確認。


…………あった。
ちょ、本当にあるよ氷帝の制服!!
なんか、無駄に生地が良いし!

わーい!リュウちゃんありがとう!!




続いて、記憶?!
ちょ、リュウちゃん何してくれてんのよ!!


でも萌の為、かぁ…。
うん、萌の為なら良いや!




そして最後は…日記。
これは忘れないで付けなきゃ!!
付け忘れてトリップ終わりなんて絶対嫌だもん!


せっかくリュウちゃんが一年間もトリップ期間くれたんだし…。
楽しまなきゃね!!




それから私は再び手紙に目を通した。
通していると、私は一回目読んだ時には気付かなかった文章を発見し、その内容に冷や汗がだらだらと流れ落ち始めた。






『………………』






“あ、そのせいで本当は旅行で居ないはずの家族も今は居るからね!”




冗談キツいぜリュウちゃん。






『ヤバいヤバい!!
朝ご飯作らなくちゃ!』






ドタドタと階段を降りキッチンに行くと、我が母上様がキッチンに居るではないですか。






『あ、あの…お母さん?』

「あら、雛。
お早う、よく眠れた?」

『あ、うん…』






良かった、怒ってないみたいで…。

“そう”と微笑むお母さんに対し私も自然と微笑み返す。




怒ってない…?


……いや、違う。


よく見ると、包丁はまな板の貫通を通り越してキッチン台に刺さっており、味噌汁を作っている鍋も有り得ない程の大きな泡を作ってブクブク言っている…


そして何より…
微笑みの後ろに真っ黒いオーラが見える。






『あ、あの…!
今日の晩御飯はかなり頑張らせていただきます!!』

「勿論よ」






今日の晩御飯のメニューは決まりました。
とりあえず、下拵えに五時間は掛かりそうです(泣)






「あ、そうだ雛
コレ隣の人に渡してくれない?
遅くなりましたが隣に引っ越してきた櫻井ですって言って。


お母さんは誰かさんのせいで手が放せないから(ニコッ)」

『マッハでいって参ります』






にこやか過ぎるその笑みが本当に恐いです。
しかも、遠回しにイヤミを言われてしまいました…




そして私は、お母さんから逃げるようにして家を出た。


それより、引っ越してきた設定なのか…
そう言えばリュウちゃんも転入って言ってたしね。




隣の家の玄関に着き、ピンポーンと隣の家のチャイムを鳴す。
すると、少し不機嫌そうな男の人の声がインターホンから聞こえた。






「どちらさん?」

『あ!
隣に引っ越してきた櫻井です。』

「あぁ…
ちと待ちんしゃい」

『は、はい!』






…………ん?
“ちと待ちんしゃい”?


聞いた事がある喋り方…。




まさか!と思い表札を見ようとした瞬間…






――ガチャ―






「わざわざ、すまんのう」






銀色の髪の毛。
風になびく尻尾。(違っ)
口元にあるセクシー黒子。






『に、にににににに…!!』






仁王雅治!?






Act.2:基本、微笑みには注意ですEND

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