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Act.19




トリップした時の萌え要素!


1つ、キャラと大接近!
2つ、キャラとの大恋愛!
3つ…


実は私は意外にこれなんですよね…




色写真
Act.19:溢れ出すもの






『あー…やっぱりね』






私の目の前にあるのは、無惨にもにもボロボロに引き裂かれたノートや教科書。
一晩、自分の机の上に忘れてきたと思えば……この結果。

部活に行く前に教室に行ったためか、クラスには誰一人居なかった。
多分、やられたのは昨日かなぁ…






『………ふう…』






ゆっくりと教科書を持ち上げると、教科書の間に挟まっていたらしく一枚の紙切れが床に落ちた。
それもゆっくり拾い上げ、紙の中身を確認する…と書かれていたのは――






『“テニス部に近付くな…ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーース”かぁ…』






棒線長いよ、書いた人。
それにしても…幼稚な文






『………っ!』






だ、駄目だ!
こんな幼稚な文なんかに…!!


だけど…やっぱり我慢できない。






『ふ……




あはははははは!!!!






きましたね!
トリップ…と言うかマネージャーお約束のイ ジ メ !


普通のイジメとかは大嫌いだけど…
この関係は好き!!!!


だって嫉妬されてるって事だよね!!?
と言うことは、私は周りからあのテニス部レギュラーと仲が良いって思われていることだよね!!


ふふふ…
確かにマネージャーなんて面倒くさかったけど、漫画での存在だったキャラ達と仲が良い自分がいるなんて…
ふふふ…
にやけが止まらない!!






『こんな幼稚なイジメに負けるものですか!』






軽く意気込んだ私は、教科書を普通にバックしまい込み朝練に向かうべく部室に向かった。






***
(数日後)






「…?
お前その教科書どうしたんだよ?」

『え!?』






宍戸に言われたのは、数日前にファンの人達に破られた教科書。

しまった…
早く換え注文しとくべきだったなぁ…(まだ注文してなかったのか)






『えっと…
実はお兄ちゃんと喧嘩しちゃって…』






く、苦しい…!!
我ながら苦しい言い訳だぞ自分!!
実際、お兄ちゃんはこんなことしないしね…。






「…………。
一回お前の兄貴みてみたいぜ…」

『良いけど…地獄見ると思うよ?






クラスメートかつ部活で一緒の男子がお兄ちゃんに会う…
ああ…完璧に殺られるね。
(私じゃなくて宍戸が、ね…)




それにしても…






『流石にエスカレートしてきたかな…』






最近は靴とか上から水とか机の中にゲテモノとか…
だんだん苛々してきました。
特にゲテモノの時はびっくりしすぎて、一瞬宇宙に行きましたよ。






『何か良い考えは…』






呼び出してみるとか…?
あ、駄目だ。私イジメている張本人知らないや


頭を押さえ込み、考える人のポーズをして一生懸命考える。
そして、ふと目の前を見れば気がつけば沢山の女子達が居た。






『(ああ…もしかして)』

「櫻井さんだよね?」

『あ、はい…』

「ちょっと…来てくれない?」






集団リンチってやつですかね?






***






「こんにちは櫻井さん」

『こ、こんにちは…』

「私ね名前は西園寺ヶ丘 満朱漓耶(さいおんじがおか まんしゅりや)よ
よろしくしなくて良いわ」

『は、はぁ…』






よっし!
皆さん、思ったことを一緒に言いましょう!!
せーのでいきますよ!

…………せーの!!
何だその名前。
何を意図にそうなったんですか!!?






「何で此処に呼ばれたか分かるかしら?」

『えっと…』






取りあえず、取り巻きの方クスクス笑うの止めてもらえませんかね?


“絶対分かってないって…!”とか聞こえてるんですけど?(怒)






『分かりません…』






“ほらねー”じゃなくてさ!(怒)
空気読んだんですよ!ここで『イジメですか?』だなんて言えないでしょ?!






「分かって無いみたいだから…教えてあげる」






そう言うと西園寺ヶ丘さんはゆっくりと私に近付いてきた。
それと伴い、周りの取り巻きも私にじりじりと近付いてくる。

色んな意味で恐いよー(泣)






「あんた、最近調子乗ってない?
宍戸君が迷惑なのもわかんないわけ?!」






…と取り巻きA






「しかも、色目使ってんの分かりやすすぎ!
宍戸君の昼休みまでとって…何様のつもり?」






…と取り巻きB






「しかもスッピン!
あはは!笑っちゃうわよ」






…と取り巻きC






「本当に宍戸が可哀相だわ…!!
あんた宍戸君の気持ち考えた事あるの?」






…と最後に西園寺ヶ丘さん




堪忍袋がプッチーン☆






『……っ!うるさい!!』






辺りが急に静かになった。
だけどそんなことより私の腹の虫が治まろうとしない。






『さっきから何なの貴方達は!
良い迷惑?それって宍戸に言われたの?』

「し、宍戸君は優しいから言えないけど分かるわよ!
宍戸君が貴方に迷惑してることぐらい!!」

『ふーん、私からしてはその勘違いの方が迷惑だと思うけど?』

「っな!」

『次そこのあんた!!
色目?私が?はぁ?(某芸人風)』

「な、何よ、実際にそうじゃない!!」

『何で私が宍戸なんかに色目使わないといけないのよ!
私の好みは可愛い子!宍戸は論外!!






確かに宍戸は格好いいけど、私の好みはジロちゃんやガックンやヒヨみたいな“ヤバい…鼻血”的な可愛い男子なんだからね!(何を言っているんだ)






「論外って…
あんた何様のつもりなのよ!!」

『雛様』(ドーン)






あ、これはただ言いたかっただけです。






『後、あんた!スッピンの何が悪いのよ!?
私達まだ中学生よ?
せっかくの綺麗な肌今見せないで何時見せる!!
って言うかはっきりいって化粧似合って無いよ!!鬼婆!

「なんですって!!」






だって目とか……何ですかそれ!!?
鬼婆と言うかパンダ…?
ある程度の化粧は全然良いけど、それはヒドいよ!






『そして最後にあんた!
宍戸が可哀相?何言ってんのよ。
宍戸は全然可哀相じゃないよ!
だって私と会えたんだもん!!






少なくとも、私は宍戸に会えて幸せだし!!
って、これ私の意見だった。
これは失態…ごめんなさい宍戸君






「あんた、さっきから調子乗りやがって…!
いい加減にしろよブス!!」






――バシンッ!!―






『ギャッ!』






手!手出しやがりましたよこの人!!
確かに、最後の意見は私の意見だったけど…
お父さんにも打たれたことないのに!!
お母さんにはあるけど(ぇ)


と言うか…目痛いーーーー!!!!
コンタクトズレたんですけど!!(泣)






「雛!!」






叩かれた頬と目を押さえながら座り込んでいると聞き覚えのある声…






「雛!大丈夫か!?」

『…っ……し、宍戸?』






宍戸だ…なんで?
なんで此処に宍戸が…






「あの、宍戸く「出ていけ」え…?」

「出てけってんだろ!!」

「っ…!」






そっか…
宍戸は私を…


助けに来てくれたんだ。






「雛!大丈夫…か?」

『宍戸…
コンタクト、づれた…!』






嬉しい、嬉しい、嬉しい。
そして…


痛い、痛い、痛い!!(泣)(ムードぶち壊し)






「コンタクトづれたって…」

『さっき殴られた時づれたみたいで……あ、取れた!
痛かったー!!痛くて涙出ちゃったよ、あはは!』






良かった良かった!
コンタクトが目の裏に入ったりしたら一大事だしね!






『宍戸。目薬持ってない?』






あ、でも人の目薬って使っちゃだめなんだっけ?
うー…最悪、目薬家に忘れちゃったよ…






「くっ…!」

『な、何?!』

「いきなり泣き出すからどうしたと思ったら、コンタクトがづれたとか…
くく…本当に面白いな櫻井は!」






…………そう言えば






『雛』

「は?」

『さっき雛って呼んでくれたじゃん!!』

「いや、それは言葉のあやってやつで…」

『なーんーでー!
ね!今度から雛って呼んでよ!!
私は宍戸って呼ぶから!!』

「俺は呼び捨てでお前は苗字なのか」

『あはは!流石宍戸、ナイスツッコミ!!』

「……はぁー…
雛と話すと疲れるぜ」

『えへへへ!あ、宍戸!』

「んぁ?」






一つ呼吸をして、宍戸に満面の微笑み。
だって、笑わないと…






『ありがとうね…宍戸』





恥ずかしくて、お礼言えないんだもん。


本当は凄く嬉しかった。
だって、宍戸が助けに来てくれるなんて…
宍戸があんなに怒ってくれるなんて…思わなかったんだもん。

一歩、一歩…ゆっくりと宍戸に近付く。
宍戸の目の前まで歩くと、足を止めニッと再び笑った。






『名コンビ、悪友の誕生だね!!』






私的に女の子の最大の友達は親友。
男の子の最大の友達は悪友だと思うんだよね…


宍戸とは最高の悪友になれると思う!






「うるせぇよ…」

『痛っ!』






不意打ちに宍戸にデコピンをされ、キッと睨めつけた時には既に宍戸は目の前には居ず…






『……って待ってよーー!!』





宍戸は遥か先…


怒りながら宍戸を追いかけるけど…






『……んふふ』






ニヤケが…治まらないや。






Act.19:溢れ出すものEND

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