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Act.14




「…………」

『…………』

「………………」

『………………』

「……………………」

『………………あの』

「あ゙あん?」

『いえ、何でもありません!!』






色写真
Act.14:いちごミルクは必需品です。






あれからジロちゃんに膝枕をしながらずっとお喋りをしていた。
どれぐらいずっとかというと、日が傾き始めて宍戸がジロちゃんを迎えに来るまでずっと。
お陰で私の足は痺れまくりの草の痕がつきまくりの散々な状態に…

だけどその後に見たジロちゃんの笑顔のお礼で、足の事なんか一気に吹っ飛んだけどね。


そして本日、学校で宍戸を一通り殴り、ジロちゃんと朝の会話して、千雨に撮った写真を渡した。
すると予想以上に感激され、私の能力を高くとられ何故かまた仕事を頼まれることに…






『…………何故だ』






私自身はあまりテニス部とは関わりたくないのに。
本当にファンの一部として見ているだけで良いのに!

いや、確かに仲良くなったらそれはそれで萌えるんだけどさ…




千雨に能力を買われた私は、テニス部の本拠地であるテニスコートに来ていた。
本日のお題は“跡部景吾のスーパーショットを激写せよ!”。
いわゆる破滅への輪舞曲とか?


まぁ、何事も無く終わればそれでいいや。




そんな中、私の携帯に一通のメールの着信を知らせる音楽が流れた…






〜♪〜♪♪〜






『……!!』






急いで内容をチェックする。
中身は…“幼なじみ?”






『…………誰だ?』






少なくとも私には幼なじみと呼べる人などいない。


自分の世界では…

だけどこの世界では分からないなぁ。
リュウちゃんなら“素敵の設定”の中に幼なじみを増やす事ぐらい容易い事だろうし…


私はその幼なじみが誰なのか、期待と疑問と共にそのメールを読んでみることにした。






『えっと…』








日付:20**/04/16/15:57


送信:幼なじみ


題名:ハロー!


本文:久しぶり〜!
まぁ、それはさておき雛今日の占いですっごい最悪って書いてあったから気をつけたほうが良いよ♪

それじゃあ、お兄さんによろしくね(^-^)/

―END―










『…………へ?』






何度見返しても、メールの内容はそれだけだった。
他にもメールがあるんじゃないかな?と思い、センターに問い合わせたがメールは入っていなかった。




…………肝心の名前が、ない。


そりゃあそうだよね…
メール本文に名前を書くなんて、久々にメールした時とか、アドレス変更した時ぐらいしか書かないよね。


それよりも、気になるのは…






『“すっごい最悪って書いてあったから気をつけたほうが良いよ♪”……かぁ』






最悪って、これはまた極端な例えですね。
それより最悪って何が最悪なんだろう…


少し不安になり周りを見渡してみる。
すると、先程まであったカメラが無いことに気が付いた。






『嘘?!』






ヤバいよ!どうして?!どうしよう!!
無くした…なんて千雨に言ったら怒られるに違いない!!


四つん這いになりながら必死にカメラを探す私。
その時、






「おい…」






とかけられた声。
上を見ようとした瞬間、目の前には千雨から貰ったあのデジカメ!!






『あ!』






デジカメを取ろうとした瞬間、カメラは上に持ち上げられ私は空を掴んだ。

何をするんですか!と怒鳴ろうとした瞬間…私は思わず目を丸めた。


私の目に写ったのは…






「…………ちょっと、来い」






私のデジカメ持って頭にタンコブを作っている跡部様。






***






それから跡部に部室に連れ込まれ目の前で正座中。
ぶっちゃけ2日間連続正座はかなり辛い。
だけど、どう考えてもここでぶっちゃけるのは…駄目だ

KYだよKY。
(あ、そこ!古いとか言わないの!!)






『……あの、いつまでも正「ア゙アン?」

『い、いえ!何でもありません!!』






話しかけようにも跡部が恐くて話しかけられない。


刻々と去り行く時間…






――ガチャ―






急に部室の扉が開く。
外の光と共に部室に入ってきたのは…――






「跡部、何やっとんのや?
もう部活始まっとんで…ってブッ!」

「そうだぜ!何やってるんだよ…ってブハハ!!」






忍足とガックンのダブルスペア。

それより、え!?何で笑った?!
正座した私があまりにも痛かったから?


……悪かったですね、痛い奴で(被害妄想)






「ちょっ、何なんそのタンコブ?
アハハ!
マジ笑わせんといてや〜!!」






…………へ?






「マジだせー!!
宍戸じゃねぇけど、激ダサだな!ギャハハ〜!!」






あ、あぁ…!
私で笑ったんじゃないのね!
良かった良かった…






「黙れ、忍足と向日!
てめぇらレギュラー落ち決定だな、ア゙ーン?」






こんなことで?!
たまったものじゃないよ…
やっぱり、跡部はサ「てめぇ、さっきからうるせぇな…
シバくぞ…?」






心読まれたΣΣ( ̄□ ̄;)






「……お嬢ちゃん、さっきから声にでとんで」

『え!?マジですか!!』

「つか、お前…」

『?』

「この前ぶつかって来た奴じゃね?」

『……!!』






忍足も私をジッと見つめ、ほんまや…と呟いた。


確かにこの前ぶつかったような気が…
あの時はあまりにも必死だったからちょっと記憶が曖昧かも…






「なんだよ、お前らコイツを知ってんのかよ」

「まぁ…知り合いってわけじゃねぇけどな

そう言う跡部こそコイツと知り合いか?」

「いや」

「…?
じゃあ、何でこの子居るん?」

「……コイツが投げたデジカメが俺様に当たったんだよ」

『「「は?」」』

「……って何で嬢ちゃんが驚いてるんや」

『いや、だって私何でここにいるか知らなかったし…』






でも、そっかそっか!それなら納得!!
つまり、私が放り投げたデジカメが跡部の頭に当たって、跡部にタンコブが出来たんだね!


……まぁ、納得した所で状況が変化するわけじゃ無いんだけどね。
寧ろ悪くなっている気がするよ


謝ろうにも、私が喋ろうとすると跡部が睨んでくるから謝るにも謝れない…
まぁ、跡部の事だから謝っても許してくれない気がするけど
プライド高そうだしね。






――ガチャッ―






そして、再びドアが開いた。
も、もしや!この最悪な状況(最悪にしたのは自分)を消し去ってくれる救世主?!

バッとドアの方を見る。






「おい、お前等まだか…って雛!?
何やってんだ?!」






救世主キターー!!
やった!ありがとう宍戸様!!






「何だよ宍戸、お前この馬鹿と知り合いなのか」

『馬鹿ってなんですかアホべ』

「…………」

『痛い痛いーー!!
こめかみグリグリしないで!!!!(泣)

「……で、知り合いか?」

「あ、ああ…」

「どこで知り合ったん?」

「…………クラスメート」

「「「クラスメート?」」」






痛たー…!力強すぎ!!
流石テニス部部長…


跡部に攻撃(?)された頭を抑え込むように屈む。
視線を感じ顔上げると、何故か皆さん哀れるような瞳。






「……何で宍戸のクラスメートが此処に居るんだよ」

「宍戸の追っかけじゃねーの?」

「いや、それは違う」

「えらい自信あんやな宍戸
んじゃあ、ジローか?」

「多分、それも違う…」

「じゃあ、何で此処にいんだよ…」






イライラ気味の跡部と部員。
私は第三者のように自前のいちごミルクをすずーと吸った。(これこそKY)






――ピキーン―






『…………』






何でしょう、この胸騒ぎ。
後ろの方から来るオーラ…






――ガチャ―






「宍戸さー………あ」






嫌だ嫌だ嫌だ。
振り向きたくないよ(泣)






「んぁ?
ああ、長太郎と若か」

「……何やってるんですか」

「何って……どこ行んだ長太郎?」






コツコツコツと私に近付いてくる足音。
それと伴い多量に沸き出してくる汗…






「久しぶりですね、雛先輩?」






鳳 長 太 郎 !






――ズササササ!!―






「なんで逃げるんですか雛先輩?(黒笑)」

『は・は・は!何故でしょうね?(泣)』








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