Act.9
やっぱり第一印象は大事だよね?
どうしようかな…
静かすぎても地味な奴だと思われそうだし、逆にはしゃぎすぎはウザイし…
やっぱり…アレかな!
「櫻井、席に座れ〜」
『あ、はい!』
蒼色写真
Act.9:君と僕との出会い
「宍っ戸ーー!!」
「んぁ?なんだよジローかよ」
「聞いた?
今日俺らのクラスに転入生が来るんだって!!」
「転入生…?」
朝練が終わり、着替えをしていると普段朝練には全く来ないジローが持ってきた情報。
それは、俺達のクラスに転入生が来るということだった。
「転入か…俺は男が良いな」
「A〜男なら何にもできないじゃん!
やっぱり俺は女の子が良いCー!!」
“何にも”って何をするつもりだよ…
「それはやっぱり、女と男の営みってやつ〜?」
「…………」
「ほんまジローは羊を被った狼やなー」
「黙れ忍足ー(黒笑)」
「ま、まぁとにかくよ、ジローは良くても俺は良くねぇんだよ」
「女の子苦手だから〜?」
「…………ああ」
俺はこの時から女は皆苦手だった。
女は顔が良ければすぐに猫を被って寄ってくる。
しかも顔が良いならまだしも、皆臭い香水をぷんぷん臭わせ“宝塚か!”ってぐらい濃化粧で寄ってくるからたまったもんじゃねぇ…
本当にキモチわりぃ…
そんな朝の俺の希望とは裏腹に転入してきたのは…
「んじゃ、櫻井入って来い」
『は、はい』
…………女。
『えっと…
今日から転入してきた櫻井雛で、す…』
『よろしく、お願いします…』
転入生が挨拶をするが、俺を含めたクラスメートは何も反応がない。
理由は…多分みんな一つ。
転入生が有り得ないほどボロボロだからだ。
新品のはずの制服には泥が付いており、膝も微妙に泥がついて傷になっている。
…………何があったんだ。
「櫻井の隣は…宍戸だな!」
担任が転入生を俺の隣と言った途端、クラスの奴ら(女子)は思いっきり転入生を睨めつける。
「(…チッ、本当に女ってめんどくせぇな…)」
「宍戸、手を上げろ」
気怠く手を上げる俺。
転入生は上げた俺の腕を確認して自分の席でもある、俺の隣の席へと歩き出す。
その途中、クラスの女子が鋭く睨めつけるが、その女子は気付いて無視しているのか、はたまた只の馬鹿で気が付いて無いのか分からないが…
『よろしくね』
そう一言言い、微笑んだ…。
「あぁ、よろしくな…」
『うん!』
コイツの第一印象…
元気な普通の女
只、他の女子と違って…
何も化粧をしてなくて
香水じゃない
独特の甘い香りがした…
Act.9:君と僕との出会いEND
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