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Act.4




『――と言うことなんですが…』






只今お母様を説得中…。






「別に良いわよ」

『そっか……




…………って、え?!』






良いんですか!?
そう言ってくれると思ってもみなかったから、かなりびっくり!!






「別にそっちのご好意でやってくれてんだし、断る理由がどこにあるのよ?
ほら、早く返事しに行きなさい!」

『は、はい!!』






まさかのOKとは…


普段のお母様なら「なんでそんな面倒くさいことしないといけないのよ」って言うのに…




これは何かあるな…‥







色写真
Act.4:パーティーとか言いつつ、パーティーらしいこと一つもしてなくない?






『――…そう言う事で、よろしくお願いします』






お母様の許可をもらうなり、私は再び仁王家に行き、ペコリとお辞儀。






「本当!?やった!!」

『はい!
あ、あの私もお手伝いしますよ?』

「別に良いって!
雛ちゃんは引っ越しの疲れでもとってゆっくりしてな!」

『で、でも…』

「良いから良いから!」






私を家に押し返すお姉さん。


だけど…!
せっかく開いてもらってるのに何もしないなんて無理だよ!






「それに準備になんてそんな時間かからないから!ね?」

『…………はい』






綺麗すぎるお姉さんの笑みに負けて私は観念した。


準備が出来たら直ぐに呼ぶと言われ、部屋に戻る私。
部屋に着くなり私はベットに思いっきりダイブした。






『むっふー…』






ベットはオアシスだね。


確かに、今日は色々あったからちょっと疲れた、かも…




枕元にあるドンダえもんの人形をぎゅーっと抱きしめた。

疲れからくる睡魔に襲われ、徐々に眠りに落ちてい…‥






「雛ー?パンツ見えてるわよ」






けなかった。






『って、え!パンツ!?』

「そう、ヒヨコの
まぁ、そんなのどうでも良いわ」






良くないよリュウちゃん。


あ、でも…そっか。
リュウちゃんオカマだし女の子の下着には興味ないか。






「それより…
どうだった?私の設定☆」

『最高です』(即答)






まさか隣が仁王だと思ってもいなかったし!


いきなりキャラ遭遇ッスよ!?
最高以外になんとも言えないよ!!






「んふふ、それは良かったわ

あと、一つ。
雛に言い忘れてた事があるのよ」

『なんですか?』

「やっぱりこの世界は雛の住んでた世界と違って、様々な点で異なる事があるのよん!
で、もしも困ったら私が助けてあげるから、雛に私を呼ぶ呪文教えといてあげるわね」






おお!優しいリュウちゃん!!






『その呪文とは…?』

「世界一美しく世界一気高く世界一妖艶なリュウちゃんーー!!よ」

『え…』






それって洒落(シャレ)ですよね?


しかし、本人は満面の笑み…




マジですか?






「んふ、そう言う事だから♪
じゃ、伝えたからね」






そう一言言うとリュウちゃんは消えていった…。


そして私はと言うと…‥






『………………



…………寝よ』






とりあえず現実逃避






***






「――………い」

『うーん…』

「――…と……ゃい」

『うーん…』

「さっさと起きんしゃい」

『うーん…………ん?』






目の前に仁王のドアップ。






『ぬう?!
なななななななななな何で、にににににににににににににににににににににににに仁王がここここここここここここここここここここここここ「落ちつきんしゃい」

『何で仁王が此処にいるの?!』






この部屋はお兄ちゃん対策のため鍵を付けたから、お母さん以外入ってこれないはずなのに!!






「さーて…何でじゃろうな?」






ニヤッと笑う仁王…。




あ、ヤバい…かっこいい






「まぁ、それはさて置き俺ん家行くぜよ」

『へ?何で』

「準備出来たからじゃ」






マジですか。


ふと時計を見ると既に6時…。


結構寝てたんだな、私…。



多分寝たのは午前の10時…
って流石に寝過ぎだろ私。






***






『うわぁー…凄い!』






仁王家に行けば、庭にはかなり本格的な焼き肉セット!!
肉の種類も豚、牛タン、ホルモンと様々。
それに伴い野菜の量も半端じゃない!


そしてその後ろに“櫻井家引っ越し焼き肉パーティー〜こんな可哀想そうな子初めてだよ!の巻〜”と書かれた垂れ幕。(本当に書いたのか仁王姉)






「あ!来た来た雛ちゃん!!
さぁ!食べて食べて!!」

『ありがとうございます、お姉さん』

「別に良いよ!
あ、そういえばあっちに焼いたステーキ雛ちゃん残しておいたの!
今持ってくるね!!」

『え!?いい…―』






いいです、と言う前に既に仁王姉は居なかった。


…………行動早いな。




キョロキョロと周りを観察してみると、遠慮も知らずに肉を食いまくっている家族と一緒に肉を食べている仁王兄弟。


確かに仁王の好きな食べ物は…‥






『…………』






食べ物は…

食べ、物は…‥


あれ、思い出せない。




待って、なんで?!
私の唯一誇れる知識は、テニキャラのプロフィールを全部言えることなのに!


試しに仁王以外のキャラのプロフィールも思いだそうとしてみたけど、さっぱり分からなくなっていた。






『なんで!?』

「どうしたの雛ちゃん?」

『あ、お姉さん…!
な、何でもありませんよ!

うわぁー凄い美味しそうですね!!』






とりあえず、お姉さんが肉を持ってきてくれたので話を逸らし、さっきのことも一先ず保留した。






「ねぇ、雛ちゃん?」

『ふぁい?』

「私のこと名前で呼んでくれない…?」

『名前…ですか?』






食べていた肉をゴクリと呑み込む私。(凄い効果音)


名前…
って、名前で呼んで良いんですかーーーー!!?






「うん!
あ、そう言えばまだ名前言ってなかったけ?


ちょっと、弟Wーー!!」






W!?
今度はWですか!!
凄い家の主従関係!(?)






「……なんじゃ」

「……なんだよ姉貴」






そして来るあなた達もすごーーい!!!!






「じゃあ下から教えるわね!

まず一番下の翠。
チビで生意気だからよろしくしなくて良いよ!!」

『へ!?』

「そして、長男の雅治。
コイツは、嘘つきで女扱い悪いから仲良くしなくて良いわよ!!」

『え!!?』

「そして私は涙!
よろしくね雛ちゃん」

『…………』






えっと…
二人とは仲良くなるなと…?






「本当に姉貴は極端だよな。
気に入った奴にはすぐこれだぜ…」

「ほんまに…
俺も雛と仲良くしたいのにのう」

「お黙り!!」

『……えっと』






喧嘩始めちゃったよ…。




“ふーむ”と傍観者にまわり、三人を見つめる私。
そして、そこら辺にあった水を飲んだ。




…………ら


体が急に軽くなり、私はバタリとその場に倒れ込んだ…‥






Act.4:パーティーとか言いつつ、パーティーらしいこと一つもしてなくない?END

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