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短編
二人で居れば晴れだって
( あ 、)

気付けば時計は0時を過ぎ日付は27日になっている。

いつものように抱き合って抱き合って抱き合って、いつも同じだけど今日から一日は特別な日だった。

僕達は未だ裸のままベッドで本を読んだりテレビを見たり。
睡魔はまだ襲ってこない。
隣で漫画を読んでいたハレルヤを見てみると時間も日付にも気付いていないよう。

「ねえハレルヤ、」
「ん、」
「誕生日おめでとう、」
「あ?」

ハレルヤは目を丸くして僕を見た後時計を見てああそうかと呟いた。

「お前も、」
「うん、」
「誕生日おめでとう、」
「うん、」

僕は嬉しくてハレルヤの腕に擦り寄った。
年に一度しか言われないその言葉が好きだった。

「二人でおめでとうって言い合えるなんて、素敵だね、」
「そうか?」
「うん、なんだか幸せ、」

普段でもハレルヤといれるだけで僕は幸せなんだけど、誕生日は特にそう感じるのは何故なのかな。

「誕生日なんてもう嬉しくもなんともねーけどな、」
「僕は嬉しいの、」

ハレルヤは笑って僕の頭を撫でた。
ガキだな、そう言って笑う。
ガキだって何だっていいんだ、僕は今年もハレルヤと一緒に誕生日を迎えられたのだから。

ぎゅうう、抱き着いてみるとハレルヤも抱き返してくれて温かかった。

ふと窓から見上げた空には満月が綺麗に浮かんでいる。

「明日は晴れだね、明日っていうかもう今日だけど、」
「どっか出掛けるか?」
「うん!」

それだけで僕はまた嬉しくなった。
やっぱりハレルヤの言う通り僕は子供なんだ、でも嬉しいんだから仕方ない。

じゃあもう寝ようか、そう言って明かりを消したハレルヤに抱き寄せられて僕は目を閉じた。
ハレルヤと何処に行こうかなあ、そんなことを考えながら。









おわり

2010 2 27


















「ケーキバイキング行かない?」

「げ…」



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