短編
悩める恋人(♀アレ/+ロックオン)
「ハレルヤ僕のこと大好きでね、昨日も指輪とネックレス買ってくれたんだよ、」
「…」
ハレルヤはお前の恋人かよ、
という言葉は我慢して飲み込んだ。
仲が良いのは知ってる、ハレルヤが極度のシスコンだというのも知ってる。
しかしこれはいきすぎだろう、普通兄貴が妹にアクセサリーをプレゼントしたりするか?
俺達は恋人で今は俺の部屋で二人きり、なのにハレルヤの話ばかり!
「でも少し困ってるんです、たくさん貰いすぎて、」
唇を噛んだ瞬間そんなアレルヤの言葉が聞こえ、アレルヤを見下ろすと困ったように笑っていた。
「僕にはニールから貰った指輪もネックレスもあるし、」
そうだ、俺達はペアの指輪とネックレスをつけている、アレルヤも困っている以上俺が何とかしなければ!
「よし、俺からハレルヤに言ってやる、」
「え、」
「ハレルヤにはそろそろシスコンを卒業してもらう」
俺は今まで散々ハレルヤの邪魔に悩まされていた。
何の邪魔かと言うとアレルヤとの時間のことだ。
ハレルヤは昔から俺が気に入らないらしく、俺とアレルヤが付き合い出したことでそれは憎悪に変わったらしい。
デートには当然のようについてくるし(俺はまるで保護者のようだった)、ついてこないときは迎えに来たりもする。
アレルヤが俺の家に泊まったことは未だに一度もない。
これじゃあどっちが恋人なんだかわからない、
「はあ?なに言ってんだこのハゲ!」
アレルヤを迎えにきたハレルヤに、アレルヤにプレゼントを贈るのはやめろ、迎えにくるのはやめろ、その他今まで思っていたことを全て言ってやるとハゲと返ってきた。
「俺が何しようと俺の勝手だろ、何でてめえにんなこと言われなきゃなんねーんだよクソ!」
「っアレルヤだって困ってるんだ、なあアレルヤ、」
「はあ?アレルヤが何を困る必要があるんだ、阿保か」
帰るぞ、とハレルヤがアレルヤの腕を掴むと、アレルヤは困ったように俯いていた顔を恐る恐るあげハレルヤを見上げる。
「ハレルヤ、」
「帰るぞ、」
「あのね、僕、もう子供じゃないし…ハレルヤが迎えに来なくても大丈夫、それにプレゼントも嬉しいけど、何て言うか、うん…僕の恋人は、ニールだから、」
「…」
ハレルヤの目が見開かれ固まった。
ショックなのだろう、思考が停止しているようだ。
「ハレルヤ?だからね、」
「…わかった、」
「え!」
あまりにあっさりしたので思わず驚きの声が漏れてしまった。
ハレルヤのことだからブチ切れて暴れてついでに俺は殴られるもんだと思っていたから、これには安心した。
「もう迎えにこねえ、指輪とか買うのもやめる、多分、アレルヤが言うなら仕方ねえし、」
「そうか、わかってくれて良かっ」
「ただしデートには付き添うからな!」
「は」
怒りに燃える金色の瞳を見て思う、ハレルヤは全然わかっていなかった。
デートに付き添うなんてこれじゃあ今までと同じだ、したいことも出来ない、やりたいことも出来ない!
「え、ハレルヤ、」
「アレルヤ、これだけはわかってくれ、お前とクソニールを二人きりにするわけにはいかねえんだ!」
「でも、」
「でもじゃねえ!」
だめだ、もうこいつにシスコンを卒業させることは無理だ、そう悟った。
俺は盛大にため息を吐きながらアレルヤの肩を抱いた。
また違う方法を考えよう…、
おわり
2010 1 10
23万打企画リク、
「ハレルヤに苦労しながらも付き合うニル♀アレ」
ということで…なんだか全然リク内容にそってなくてすみません!
リクありがとうございました!
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