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短編
誰かの種が芽吹く頃(♀アレ)
お前は最初から誰かのものだったし、誰のものでもなかった。
だから誰も好きだとかあいしてるなんて言葉は言わなかった。

「わかるわけ、ないじゃない、」

お前は世間知らずの馬鹿で優しいからみんなのことが好きで助けになりたい慰めたいと言った、その結果がお前を駄目にする。

「誰の子供かなんて、わかるわけ、ない、」

仲間だから、と恋も愛も知らないお前が全員と関係を持ち、避妊の知識もなく当然孕んだ。

「どうしよう、ハレルヤ、」

「知るかよ、」

俺の言うことも聞かずあいつらと寝たくせに、

「ハレルヤしか頼れる人がいない、」

お前は最初から誰かのものだったし誰のものでもなかった、
お前は最初から俺のものだったけど俺のものでもなかった。

「ハレルヤ…、」

俺が護ってきたお前は誰かのものになっていて俺は触れたくても許されないのにどんどん汚れていくお前に俺はうんざりした。
俺の気も知らないで。

「こわい、自分の中にもうひとつ命があるなんて、こわいんだよ、ハレルヤ、」

「自業自得っつんだよ、」

「ハレルヤっ、」

縋る細い腕。

「たすけて、」

俺にどうしろと言うのか、

「…、」

人間なんて単純な生き物だ。

「じゃあ、やらせろ、」

「…え、」

自分の欲望が叶う道を選ぶ。
そんなもんだ。

「そしたら、どうするか考えてやるよ、」

今の俺はお前の知らない顔をしているだろう、俺も自分がどんな顔をしてるかわからない。

「なあアレルヤ、」

お前は誰のものなんだ、







おわり

2010 1 3
















誰のガキ?


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