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短編
この胸に溢れてる(+ティエリア)
俺は何も知らなかった。


昔は仲間意識も無かったし知ろうともしなかった、それがこんなにも愛おしく感じるようになるなんて。

「アレルヤ、」

4年ぶりに見た彼は随分と窶れていて肌にうっすらと残る多数の傷跡が痛々しい。
拷問の跡だということはすぐに解った。
彼はどんなに辛かったのだろう、

「おかえり、アレルヤ、」
「ただいま…、」

微笑するその顔が懐かしい。
今は再会出来たことを素直に喜ぼう。

「…君は変わらないな、」
「ティエリアも全然変わらないね、…いや、変わらないけど変わったね、」
「どういう意味だ?」
「前はこんな風に話をするなんて出来なかった、」
「、」
「優しくなった、よね、」
「…」

どこか安心したように俯いて目を閉じる彼に俺はそっと手を伸ばす。
撫でてやると彼は笑った。
頬を仄に赤く色付かせる彼の笑顔、こんなに近くで見たのは初めてかもしれない。

「アレルヤ、」

長かった前髪で隠された右目が今はさらけ出されている、左目とは対象的な金色の瞳。

「初めて見た、オッドアイだったとは、」
「ああこれはハレルヤを……いや、何でもない」
「…ハレルヤ、?」
「そういえば君に見せるのは初めてだね、」

話をごまかすように笑う彼にはやはり俺にはわからない何かがあるのだ。

それが少し、悔しく思う。

知る時間は沢山あった、知ろうとしなかったのは自分だ。

「ティエリア?」
「今日はゆっくり休め、」
「…もう行くの?」
「…」
「…僕、君と話せて嬉しかったよ、」
「アレルヤ、」

頬に触れ、優しい笑顔を見下ろす。

「…俺は、何も知らなかった、」

何も知らない、

「君のことを、何も知らなかった、」
「…、」
「君を知りたい、」
「これから、たくさん知っていけばいいよ、僕も、君も、」
「アレルヤ、」
「、」

触れて、抱きしめる。
この温もりがまず始まり。
君の言う通り、これから知っていけばいい。

「生きて帰ってきてくれて良かった、」

おかえり。









おわり

2009 11 11


















23万打企画リク
「ティエアレ→甘」

でした!恐ろしいことに全然甘くない…ティエアレは好きなんですがこれが精一杯でした!
ティエリアてハレルヤのこと知ってるんだっけ…??
二期での性格も未だによくわからないので別人のようになってしまいましたがリクありがとうございました!!

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あきゅろす。
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