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短編
花火
命が今日も散る。
いつだって何だって生まれるのには時間がかかるのに消えるのはこんなにも一瞬だ。

「花火、綺麗だよなあ、アレルヤ、」

通信機からハレルヤの声が聞こえる。
さっきまで人が乗っていたものが爆散し、粉々に砕け散った様子をハレルヤはいつも花火と言った。
こんなものが、綺麗、だと。
僕には到底理解出来ない。
ハレルヤはいつも楽しそう、

「貴方達にはこのミッションをお願いするわ、」

僕達に与えられた次のミッションは地上にある組織への武力介入。
そこは人革連施設を真似た人体改造実験が行われているらしい。
森林の中にあるそれは大きくはない組織、介入は簡単だった。

崩れ落ちる基地から蟻のように逃げ出す人間、子供も沢山居た。
それをハレルヤは容赦なく撃っていく、
聞こえてくる悲鳴が痛い。

「ハレルヤッ、」
「ここで殺しとかねえとこいつらはまた同じことやんだよ、情けはいらねえ、」
「っ、」
「まさか可哀相なんて思ってねえよなあ?」
「…」
「アレルヤのばーか、」

人はもう出て来なかった。
周りは火の海になり地は死体の山。
そんな中に僕達は立っている。
命の上に、

「これでまた一つ平和に繋がったわけだ、」
「…、」
「なんだ、また泣いてんのか?」

ハレルヤの手が僕の頬に触れる。
泣いてなんかいなかった、ただ胸が痛いだけ。

「平和の為の人殺しだ、楽しめよ、なあ、」

ハレルヤの顔が近付いてきて、顔を上げた瞬間に口付けをされた。

「…ハレルヤ、」
「んな顔すんな、やりたくなっちまう、」

火が大きくなり死体の焼ける臭いがする。
もう此処にも居られない。
ハレルヤは僕の髪をぐしゃぐしゃと撫で、笑う。

「俺は今気分が良いんだ、今日は優しくしてやるぜ、」

戦いの後に抱き合うのは辛い反面気持ちが良かった。
酷くされればされるほど僕の気は罪の意識から紛れてその時だけは忘れられるからだ。

「…優しくなんて、しなくていいよ、」

僕がそう呟くと、ハレルヤはまた声を上げて笑う。

ガンダムに乗り込み飛び立つと、基地は大きな音と共に爆発し跡形も無くなった。
真っ赤に燃え盛る火の海となった地を見下ろし、ハレルヤはまた言うのだ。

「上から見下ろす花火も悪くねえ、ああ綺麗だ、」

今日はいくつの花が散ったのか。
僕はまた罪の意識から逃げる為にハレルヤに抱かれて眠る。









おわり

2009 10 31


















23万打企画リク
「ハレアレ→戦場の狂愛」

でした、あんま狂ってなくてすいません!

リクありがとうございました!


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