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短編
一つの終演に赤い花束を(♀アレ)
銀色が揺れた。

「うそ、うそだよ、」

か細い声。
目の前で散ったのを見たはずなのにお前は現実を否定する。
青い顔をしながらあの男の部屋へ駆けるもそこにその姿があるはずはなく。

「…うそ、ねえハレルヤ、」
「、」
「うそだよね、」
「アレルヤ、」
「お願いだから、…うそって、言って、」
「…、」
「言ってよ…、」
「嘘じゃない、現実だ、」

俺が、傍に居る、
俺なら、ずっと傍に居てやれる、

泣き崩れるアレルヤを後ろから抱きしめて耳元でそう囁いた。

元々俺にチャンスなんてものは無い。
お前とは双子の兄妹だ、そんな報われない禁忌の想いもお前があの男に恋をしたことでますます遠いものとなる。

俺の方が、ずっと、

嫉妬で狂いそうになった、殺したいとさえ思った、俺じゃあ駄目なのに何であの男なら許されるのか、死ね、狂っちまう、

そんな日々の中、チャンスはあの男の死という形で今日突然訪れた。

「アレルヤ、」
「っ、ハレルヤ…っ」

なんて可哀相なお前、
俺ならお前を泣かせたりなんかしない。
流れる涙を指で拭いながら頭を撫でてやるとお前は俺を見上げた。

「アレルヤ、俺が居る、」
「…、」

気が動転しているせいかそれとも慰めてほしいのか何の抵抗もせずにお前は俺の口付けを受け入れた。
舌を入れても求めるように身体に触れても押し倒しても、何の抵抗もしない。

「ハレルヤ…っ、」

狡い、なんてことはどうでもいい。

「忘れろ、アレルヤ、」

あの男のことは嫌いだった。
お前を泣かせたことは許せない、だが感謝している。
あの男のおかげで俺はこうしてお前と待ち望んだ関係を手に入れることが出来たからだ。

熱くて溶けそう、

「夢だったらいいのに…、」

熱に浮かれた頭に響く。
俺の下で涙を零し、小さく呟いたお前の声は熱を冷やしてく。
夢だったらいいなんてそれはあの男が死んだことか、それとも俺と持ってしまった関係のことか、わからない、
だが今こうしてお前を抱いている、これは現実だ。

「俺が、傍に居る、俺なら、ずっと傍に居てやれる、アレルヤ」

きつく抱きしめてお前の唇を塞ぎ、お前は俺の背に腕を回す。
そうだこれが現実だろう、

お前の柔らかいからだを揺さ振り俺を刻み込んであの男のことを全部忘れるまで抱いてやる。


俺はあの男を許さない、さよならなんか言わない。
だがありがとうとだけ言っておこう。

アレルヤを俺のものにすることができたから。








おわり

2009 10 28






















23万打企画、

「ニル♀アレ前提ハレ♀アレ→23話後」

でした!
アレルヤは精神弱いのですぐ(からだで)慰めてもらわなきゃ駄目な子。

リクありがとうございました!

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