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短編
羅刹的純愛思想
「もし逃げたら、殺す、」

誰も来はしない荒れ果てた廃墟。
古いが部屋はまだしっかりとしている。薄暗く冷たい雰囲気が好きだ。
此処なら誰にも邪魔はされない。

「アレルヤ、」

言葉で縛り身体で縛り、お前を俺の元に留めておきたい。
お前のことを考えない日は無いさ。
それはとても狂暴で、自分でも抑えられない感情、
理由は一つ、好きだから。

お前の身体に俺の証を刻み付ける。
俺の為だけに泣き叫ぶ声が俺をどうしようもなく興奮させた。

「やめっ…!」

赤い赤い鮮血がお前の肌の上を流れ落ちる。
鎖骨から胸へと、見惚れる程に、。
俺はナイフについた鮮血を舐めとり、先程付けた鎖骨の十字傷を刔るように舌を這わせた。
耳を擽る苦痛の喘ぎに俺は笑みを浮かべる。

「うあっ、…ハレルヤ…!はあっ、い、痛い…っ!」

冷たい壁に凭れ力無く俺の肩を押し返し、歪んだ表情でお前は涙を零した。
その表情、ぞくぞくする。

「大丈夫だ、これくらいじゃ死なねえから、」

指で傷口をなぞる。
舐めとったお前の血が俺の口から流れ落ちた、そのままお前に深く口付ける。
逃げる舌を絡めとりお前は必死に血の味のキスを拒んだ。これ、お前の血だぜ?

あまりにも抵抗するものだからその両腕を壁に押さえつけ、脚の間に身体を入り込ませた。
もう動けねえな、アレルヤ、

長く貪るような口付け、次第に大人しくなるお前の頬は仄かに色付き始めていた。

「アレルヤ、」
「…っ、」

まだ血の滲む十字傷に触れ、お前を見下ろす。

「痛い、ハレルヤ…なんで、こんな…、」

涙を浮かべるその表情は俺の心を擽った。
お前の声表情涙仕種、全部、俺を楽しくさせる。
俺はお前の前髪をかき上げ、額に口付ける。

「セックスしよう、」

お前に断る余地は無い。
青ざめ何かを言おうとしたお前の服を剥ぎ取り、それで両手首を背中に縛り上げた。

「や、嫌だ、ハレルヤ…!」

乱れ、露になった下半身、床に押し倒し入口に指を挿入する。

「っ嫌…!」

異物の侵入からの痛みにお前は顔を歪めた。気にせず指を増やして中をかき乱す。
お前は初めてだった、当然だ、ずっと俺が傍に居て大切にしていたんだから。
あの男が現れるまでは。

「ハレルヤ…!」

未だお前は苦しそうな顔ばかり、もうそろそろいいか、指を引き抜いて俺は硬くなった自分の熱をお前の入口に押し当てた。
お前の顔が一気に恐怖へと染まる。

「ハレルヤ…っ、ねえ、やめ…」
「逃がさねえ、」

奥まで貫き、汚れを知らなかった身体が汚れる瞬間、冷たい部屋に叫び声が響く。

「っあああ…!」
「っはあ、その声やべえ、」

細い腰を掴み容赦なく揺さ振りをかけた。

「やあああっ、あっ…やめて、ハレルヤ…やめ…!」

お前の脚を持ち上げ、更に奥へと深く進む。
熱を追いかけ激しさを増す動きにお前は涙を流しながら、狂ったように同じ言葉を悲鳴と共に繰り返す。

「アレルヤ…!」

ああ、綺麗だ、

口付け、震える身体を強く抱きしめる。

「ハレルヤ…っ、」

濡れた銀色が俺を映す。
俺は優しく微笑んだ。

「もう俺から逃げようなんて考えんじゃねえぞ…殺すからな、」

愛してるから、簡単に殺せるぜ、








おわり

2009 9 30











LOVE is KILL



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