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短編
隠れ家
まだ日も沈まない明るい時間、その部屋からは甘い声が聞こえていた。

がつがつと貪るように強くハレルヤに揺さぶられ、アレルヤはその激しい快感に悦びの声を上げる。

「っハレ、ルヤ、っんん、あっ!」
「ああーっもうイくっ、」
「っああん…!」

中に全てを注ぎ込み、アレルヤも自分の腹にぶちまけて行為は終わりを告げた。

「っはあ、ハレルヤ…、」

脱ぎかけの制服のシャツは汗で湿ってしまっている。

「ちゃんと脱ぎたかったのに…」
「着たままの方がエロいって」
「もう、」

動くことも面倒だ、アレルヤはベッドに横たわったまま目を閉じる。

「なあアレルヤ、もう一回、」
「…え、」
「せっかく学校抜け出してきたんだからよ、時間勿体ねえじゃん、うるせえババアが帰って来ちまうぞ、」
「疲れたよ…」

そうだ、今日はセックスをする為だけに学校を早退したのだ。
優等生のアレルヤは嫌がったが半ば無理矢理ハレルヤに連れられた。

「アレルヤー、」
「ちょ、ハレルヤっ…」

ハレルヤの手がアレルヤの性器に伸ばされた、

「おーい、お前らなにサボってんだよー、勝手に上がるぜー、」

「!?」

一階から聞こえた声に二人は身体を起こし目を丸くした。
今の声は同級生のロックオンである。
だが耳を澄ますと足音と声が複数聞こえる。
おそらく刹那とティエリアも一緒、だ、
その足音は階段をどすどすと上り始め、

「やばいっ!!」

やっと慌てた二人がばたばたと焦り出す。今からこの部屋を出ると奴らと鉢合わせしてしまう、隠れるしかない。
完全に混乱しているアレルヤの手を引いて、ハレルヤはクローゼットの中へと入り込んだ。
ハレルヤはズボンしか履いていない、アレルヤはシャツしか着ていないが今そんなことはどうでもいい。見付かったら色々と面倒なことになる。
二人は息を潜めた。

「ハレルヤアレルヤー!サボりはいかんぞー、って、いねえじゃん」

ノックも無しにドアを開け、ずかずかと入り込んできた無礼な三馬鹿。

(…アレルヤ、)
(っハレルヤ?!ちょ、触らないで、んっ、)
(お前が声出さなきゃいいんだよ、)
(んっ…!)

小声で会話し、ハレルヤはまだすんなり入る入り口へと指を突き入れた。
アレルヤは両手で口を塞ぎ声を漏らさないように耐えている。

三馬鹿は二人がクローゼットに隠れていることは知るよしもなく。

「あいつらさてはゲーセンに行ったか、」
「全く…あの二人の行動は万死に値する、」
「この部屋にはガンプラが一つも無い…信じられん」
「これどっちの部屋だ?」
「漫画や雑誌、服が散乱している様子からしてハレルヤ・ハプティズムの部屋だな、この汚さは」
「足の踏み場もないな、性格の悪さが滲み出ている部屋だ」
「てことはアレルヤの部屋は隣か、行ってみようぜ」
「ロックオン・ストラトス、貴様まさか盗聴器を仕掛ける気ではないだろうな」
「そ、そんなことするか!」

人の部屋で失礼な会話を繰り広げる三馬鹿に、ハレルヤは性欲よりも怒りが込み上げてきた。ぎりぎりと拳を握りハレルヤは隙間からそっとその様子を覗く。

(あんにゃろ共…!好き勝手言いやがって!)
(でも部屋散らかってたしそう言われるのは仕方ないよ…、)
(ぐぬぬ…!)

さっさと帰れよ三馬鹿、ハレルヤが苛立ちながらそう思った時、願いが通じたのかティエリアがそろそろ帰ると言い出した。

「彼らはいないようだし此処に俺達がいても意味は無い、」
「そうだな、帰るか、」

(そうだ早く帰れ馬鹿共!)

「しかしこの部屋、やけにイカ臭いな…、」

部屋を出る前に刹那がそう言い残し、ドアはバタンと閉められた。

「…」
「…イカ臭いって、刹那言ってたね、」
「あの糞野郎共ー…散々好き勝手なこと言いやがって…糞がっ!ムカつくぜ!アレルヤケツ出せ!」
「え!?な!?もう嫌だよ!」
「うっせーな続きだ馬鹿が!」
「アーッ!」









「…ん?」
「なんか天井からギシギシ聞こえねえか?」
「ギシギシというかあんあん聞こえるんだが」
「…さっさと帰るか、」

三馬鹿が足早に帰ったあとすぐに叔母のスメラギが帰宅し、天井からの異変に全身凍り付いたのだった。









おわり

2009 9 29













かくれんぼ。


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あきゅろす。
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