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短編
体が夏になる(♀アレ)
ある平和な一日、ソレスタルビーイング一同は海に来た。
海とはいいものである。
何がいいかと言えば、女性の水着姿が拝めるからだ。
ガンダムマイスターの男三人は先程からそわそわと目を泳がせている。勿論三人の目的はアレルヤである。
あのボン!キュッ!ボン!な水着姿を想像しただけで熱くなる。

「ほらーアレルヤもこっちこっち、」
「キタ!」

クリスティナに手を引かれ、もじもじと恥ずかしそうに姿を現したアレルヤに、三人は心躍らせた。
ぷるんと歩く旅に揺れる大きな胸と引き締まった腰に桃のような尻。

「僕はやっぱりいいよ、」
「何言ってんの!せっかく水着買ったんだから!」
「でも、」
「見てみなよロックオンなんか鼻の下のばしてアレルヤのこと見てる」
「な!のばしてない!」
「ロ、ロックオン、」
「アレルヤ…!」

何故だか急に見つめ合い始めた二人の間をティエリアと刹那が割って入る。

「ロックオン・ストラトス、そんなに鼻の下を伸ばしてはみっともないぞ」
「伸ばしてねえっつーの!」
「だからお前はガンダムにはなれないんだ」
「刹那まで!」
「ほら、アレルヤってばモテモテじゃん、じゃああたしフェルトと泳いでくるから」
「え、クリスティナ!」

気を遣ったのか何なのか、アレルヤを男三人の中に置き去りにしクリスティナはフェルトの元へ行ってしまった。

「アレルヤ、ティエリアと刹那はほっといて行こう!」
「あっ、」

ロックオンがぐい、とアレルヤの腕を引くとアレルヤはやはり先程のように躊躇い立ち止まった。

「あの…僕、…泳げないんです、」
「え!」
ズッキューンッ
恥ずかしそうに頬を赤らめもじもじと俯くアレルヤに三人の心は音を立てて撃たれた。
そして起き上がってはいけない下半身にも何かが集中した。

アレルヤが泳げない、これはチャンスである。

泳ぎを教えるという口実で手取り足取り腰取りアレルヤに触れるではないか…!

仲の悪い三人の不純な脳が、今奇跡的に同じことを考えた。

「アレルヤ!じゃあ俺が泳ぎ教えてやるよ、」
「え、いいんですかロックオン、」
「騙されるなアレルヤ・ハプティズム!その腐れジャガ芋は君に淫らな行為をしようと企んでいる!」
「ティエリア・アーデ、鼻血を出しながらそれは説得力がないな、やはりお前もガンダムに成り切れていない、俺こそがガンダムだ!アレルヤ・ハプティズム、俺と」

「待てええええい!」

この聞き慣れた声。
そうだ、この男の存在を忘れていた。

アレルヤの肩に腕を回し引き寄せたハレルヤに、三人が同時に舌打ちをする。

「てめえら発情期かよ、下品な面が揃いも揃ってみっともねえ!」
「そんな言い方失礼だよハレルヤ…、」
「いいんだよ、こいつらはお前の乳とケツしか見てねえんだからよ!」
「下品なのはどっちだハレルヤ・ハプティズム」
「そうだ!こんな時くらいアレルヤから離れろ!」
「こんな時だからこそだろうが」
「ハレルヤ・ハプティズム…お前もガンダムではない、異常なシスコンだ」

一人加わったことで更に暑苦しくなった火花にアレルヤは怯えていた。ぎゅっとハレルヤの首に腕を回し抱き着き始めた。
それを見て衝撃を受ける三人。勝ち誇ったハレルヤの笑みが憎たらしいことこの上ない。

「ま、アレルヤは泳げなくていいんだよ、この俺が居るからな」
「…まさか貴様、わざとアレルヤ・ハプティズムに泳ぎを教えなかったのか?抱き着かれたいが為に…」
「勘がいいなモヤシ眼鏡、」
「…」
「行くぞアレルヤ、」
「うん…、」

ひょい、とアレルヤを軽々と抱き上げ、海へと向かって行ったハレルヤの姿を三人はただ見つめていた。

完敗だ…、

「あら?あなた達泳がないの?」

ふと横を見たスメラギの目には、木陰で砂浜に座る三人の姿が。

「ああミス・スメラギか…俺達今傷心してるんだ…」
「傷心?
ってかお酒飲んでるの?!刹那まで!ちょっとちょっとー私も交ぜてよ!話聞いてあげるから!」

三人の傷心パーティーは別に話を聞く気もないスメラギが割り込んだことでただの飲み会になってしまった。
酔うと暴れる癖があるスメラギは案の定暴れ出し、それを三人で止めている最中、視界に入った海でいちゃつく双子の姿、

三人は来年の夏に賭けようと思った。









おわり

2009 9 2












三バカトリオ。
平和過ぎるソレビ。
やっぱりハレアレ。

夏を制する者だけが恋を制するもう覚悟を決めちゃって!

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