短編
縛(♀アレ)
考えた結果だった。
単純に、簡単に、
自分のものにするにはどうしたらいいか、離れないためにはどうしたらいいか、俺なりに考えて、
出した答えがこれだ。
「も…、やめ、っ、」
アレルヤを孕ませればいい。
なあ、単純で簡単だろう、
餓鬼よりも単純で餓鬼よりも馬鹿だ。
それでもいい、
「出来たかなあ、」
何度も注ぎ込んだ胎内から溢れる液体。
繋がりを見下ろして呟くとアレルヤは両手で顔を覆って泣いた。
「なあ、アレルヤ、わかるか、」
「っ…う、う、」
「泣くなよ、ガキ出来ればお前だって嬉しいだろ、なあアレルヤ、出来たかわかるか、」
アレルヤはそのまま弱々しく首を横に振る。
「そっかあ、」
女って自分の体なのに自分じゃ受精したのかもわからないものなのか。
受精してたらもうやめるつもりだった。
でもわからないからまだ続ける。
アレルヤの脚を抱え、また腰を打ち付けるとアレルヤは小さく悲鳴を上げ泣いた。
だってお前が悪い。
あんな野郎と付き合い出すから。
だから、
お前を俺だけのものにするんだ、
ああお前の初めてが俺で良かった。
「良かったなアレルヤ、」
妊娠が発覚したのと同時にこの街を出た。
荷物を詰め込んだ車の中でアレルヤは悲しそうな顔でずっと無言だったが別にいい。
「俺達夫婦になるんだ、」
街を出たいと言ったのはアレルヤから。
誰にも知られたくない、会いたくないらしい。
あの野郎にさえも何も言わずに。言えるわけないか、兄の子供を孕んだなんてな、
どんな理由であれアレルヤが俺との道を自分で選んだことが俺は嬉しい。
「名前考えないとなあ、」
これからのことを考えると楽しくてしょうがない。
アレルヤの方を見ると、俯いて長い前髪に隠れた瞳からキラキラと光る雫が流れてた。
間違ってるなんて思っていない。
レイプだろうが何だろうがそれしか思い付かなかった、アレルヤを手に入れる最良の方法。
「お前は絶対に離さねえから、」
ただ単純に、簡単に、
おわり
2009 8 19
誰にも渡さねえ!
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