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短編
可愛さ余って憎さ百倍(♀アレ)
過保護な主人ライルの目を盗み、雌猫・アレルヤは陽気な空の下、散歩をしていた。
その後ろから声をかける猫が。
「アレルヤー、」
「あ、ハレルヤ、」
「なあ、ヤらせろよ。三発くらい」
「うん、いいよ」
只今発情期。
二人は人通りの無い路地へ行くと、早速濃厚に絡み始めた。
最近二人は会えば交尾ばかりしており、もうそれは日課のようになっていた。

それから。

「んがあぁぁあ!アレルヤ、何で外に出た!俺があれだけ言ったのに…!最悪だ!」
「どうしたんです、ライル・ディランディ、」
バカでかいライルの声に、何事かと隣人のティエリアがうんざりした顔でやってきた。ライルは鬼の形相で拳を握り、ソファーに横になって昼寝をするアレルヤを睨みながら説明を始めた。
「…さっき、獣医を呼んだんだ」
「獣医?病気ですか、」
「いや…最近妙にアレルヤの腹が出てきたから、まさかと思って…嫌な予感は当たった」
「妊娠してたんですか、」
「っそうだ!あんだけ高い金出して買ったアレルヤを、俺はそりゃもう可愛がってやってきたっつーのに…!アレルヤの奴抜け穴作ってやがって!しかもどっかの汚え野良猫に種付けられちまって!!」「雌を買った貴方が悪いです、それに外に出たら子供作るのは当たり前ですよ」
「外に出さねえようにしてた!」
「…まあそんな暑苦しい愛情注がれれば抜け道の一つや二つ作りたくもなる」
「テメェ…」
鼻で笑われ、ライルは拳を握りながら怒りを抑えた。
確かに、雌を買った自分も悪いが。


数か月後、アレルヤは無事5匹の子供を産んだ。
最初は子供は売ろうと思っていたライルだが、産まれてみると結構可愛く見えてしまい、5匹共育てることにした。
孫が出来たような、そんな気になるライルであった。





おわる

2009 7 8











(`ωW)人(wω・)


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あきゅろす。
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