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短編
重み(+ライル)
愛している、と言われた。
僕はそんなの要らなかった。
「…やだ、」
拒否する言葉しか浮かばない。
抱き寄せてくる腕を払いのけ、顔を背けた。
「アレルヤ、俺は本気だ、」
「…」
何でいきなりそんなことを言うんだろう。
「…僕は、嫌だ、」
「何が」
「貴方が、」
「じゃあ今までのは」
「…代わりですよ、」
「は」
何でいきなりそんなことを言うんだろう、
今までの関係で良かったじゃないですか、身体だけの関係で。
そうしたら僕も貴方も嫌な思いをしなくても済んだのに。
「代わりって、何だよおい、」
怒っているのかな、
ライルが僕の腕を掴みながら言った。
背けていた顔を上げ、ライルを睨むように見る。
「代わりは代わりですよ、貴方は。僕はあの人しか愛せないんです、あの人しか信じられないんです、あの人の愛しか欲しくないんです。あの人は僕が死ぬ時は一緒に死んでやるって言ってくれたし、僕が死にたくなった時は殺してやるって言ってくれた。愛してるってことはそれくらい重みがあるんです、」
僕がそこまで言うと、ライルはもう何も言えなくなっていた。
おかしな人、おかしくて笑ってしまう。
「愛とか言わないのなら、今までの関係、続けてあげてもいいですよ、」
僕は貴方の愛は信じない。








おわり

2009 6 22












あの人はロックオンかハレルヤか。どっちかな。

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