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短編
涙(♀アレ)
義理の父はとんだ変態だった。
この糞野郎はアレルヤを汚え目で見ていたのを俺は知っている。
絶対に入るなと言われていた糞野郎の自室には幾枚ものアレルヤを隠し撮った写真が壁に敷き詰められていた。
何だかお父さんが少し怖い、アレルヤがそう言っていたのを思い出す。
この糞野郎をこのまま放っておいたらアレルヤが危ない、脳はそう判断する。
糞野郎がいつも部屋に篭る時間、夜10時。
部屋に行き家を出て行けと脅すと、最初は取り乱していた糞野郎は形相を変え襲い掛かって来た。
馬鹿野郎、だ、

呆然と自分の赤く濡れた拳を見下ろす。
気付いた時には遅い、
俺は糞野郎を殴り殺していた。





「…ハレ、ルヤ、」
「っアレルヤ、」
ギイ、とゆっくりドアが開き、青ざめたアレルヤがそこにいた。
「アレルヤ、お前、」
「ハ、ハレルヤが…ハレルヤが、やったの…?お父さん、死んで…る、の…?ハレルヤ、」
「アレルヤ落ち着け、」
「っハレルヤが、殺したの…!?やっ、いやっ、」
「アレルヤ!」
錯乱し始めたアレルヤをハレルヤは慌てて抱きしめる。返り血を浴びたハレルヤに、アレルヤは目を見開いて声を上げた。
「いやああっ!ハレルヤ!怖いっ…!やだああっ!」
「アレルヤっ、大丈夫だよアレルヤ!」
アレルヤ同様、ハレルヤも錯乱状態にあった。
殺してしまった、これは事故じゃない、殺すつもりはなかった、追い出すだけのつもりだった、最初は。
「アレルヤ!」
叫ぶアレルヤの口を手で塞ぎ必死に宥めるが、ハレルヤの声はアレルヤには響かず暴れ続けた。
そのうちにアレルヤはバランスを崩して床へ倒れ込み、ハレルヤはそれに覆いかぶさる形になった。
すぐ隣には血まみれの義父の屍。
「っひ…あああああっ!」
「アレルヤ!」
暴れた為アレルヤの衣服は乱れ、シャツの隙間から下着が覗き柔らかい胸がハレルヤの身体に当たる。
「…っ」
追い詰められた人間の思考はおかしなものだ。

ハレルヤは、アレルヤに欲情した。

「アレルヤ…っ、」
暴れる両手首を床に押さえつけ、ハレルヤはアレルヤの白い首筋から胸に口付ける。
「大丈夫、なにも怖くねえ…、」
あとはもう本能のままだった。



無理矢理に侵入したアレルヤの胎内はハレルヤの熱を痛いくらいにギリギリと締め付ける。
半端に脱がした服から覗くアレルヤの胸に手を伸ばし、ハレルヤは腰を揺らした。
「っうあ、いやあっ、あああっああっ、」
「アレルヤあ、頼むから、っ泣くなよ、なあっ、」
「あああああっ…!」
痛みからかボロボロと涙を零し首を横に振る。
ハレルヤの声は聞こえていない。

結局、

アレルヤを助けるはずが傷付けたのは自分。
義父と何も変わらない、そんなことを考える暇すらもなく、ハレルヤは行為に没頭した。
「っアレルヤ、アレルヤ、」
「いやあああああ!」
必死で拒絶し空気を切る指。
その指の爪がハレルヤの頬に当たり、じんわりと滲む血。
ハレルヤは顔を歪めてアレルヤの両手を頭上に片手で床へと押さえ付け身動きを取れなくした。
何も抵抗が出来なくなったアレルヤはひたすら泣き叫ぶがそれもハレルヤの手に塞がれる。
何度も揺さぶり、アレルヤの膣内へ射精した。
激しい快感、
引き抜くと滴る血液。


糞野郎だ、
俺も、


泣きじゃくるアレルヤを見下ろし、大きな喪失感がハレルヤを襲った。

「…アレルヤ、」




ハレルヤは逮捕され、後にアレルヤが妊娠したと聞かされる。

こんな豚箱じゃあなにもしてやれない、
ハレルヤの目にはうっすらと涙が滲んだ。










おわり

2009 6 13











書きたかったもの
・死体の傍でレイープ。
・泣きじゃくるアレルヤ。
・泣くなとか言いながら犯すハレルヤ。

オチなんて無え。

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