私にも
おまけ
「慧は自分の魅力に気づいて無さ過ぎよね」
「まったくだな」
「けど、女の子って可愛いって言って欲しいのよ。慧は綺麗系だから、皆あんまり可愛いって言わないから余計ね」
「それに気づいたクルルが、慧を落とすには絶好の言葉だったようだな」
「まぁ、というより、スキな人に言われるんだから、うれしいに決まってるわ」
「なんにせよ、馬に蹴られる前に退室してよかったな」
あんなに恥ずかしげも無く、面と向かって『可愛い』って言うクルルと、その言葉に頬を染めて嬉しそうに笑う慧の二人と同じ部屋に居続けるのは、馬に蹴られるどころの騒ぎではない。
さっさと退散してよかったと夏美も思った。
安堵の溜息をついたギロロに、夏美が顔を寄せる。
10cmもない至近距離にある夏美の顔に、ギロロは赤い顔を更に赤くさせた。
「ギロロは、言ってくれないの?私は可愛くない?」
ギロロにとっては兵器とも言える夏美のおねだりに、ちゃんと、ギロロが言えたかは別の話。
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