お願いね




「で?何が『けど』なんだぁ?」

気配でギロロ達が出て行ったことを感じたクルルは、話を続ける。

「クっ、クルル?あのね、……」

そう言って頬を染めて話す慧は、本当に可愛いとクルルは心から思った。



「……えっと、…本当に私、可愛い?」

「あぁ、可愛いぜぇ。クックックッ」

好きな人がそう言ってくれるのだ、信じてもいいだろうか?

「でも、私夏美ちゃんみたいに女の子らしくないよ?」

「俺は日向夏美じゃなくて、おまえが良いんだ」

「…それって……」

どういう意味と問う前に、クルルが答えをくれた。

「俺は、慧がスキだぜ」

今日一日で、私が欲しかった言葉が全部手に入った気がする。

「こんなに幸せでいのかなぁ?」

信じられないと、泣き出しそうな声の私に、クルルが優しく口付けをくれた。

「これからは、俺が言ってやるよ。慧は可愛いってなぁ〜

ク〜クックックックッ」







夏美は可愛い。

私、慧は可愛いとは一度も言われたことがなかった。



けど、クルルが言ってくれるから、

他の誰も言ってくれなくても、私は満足できる。



クルル、お願いね。

時々で良いから、私のことを可愛いって言ってね。

クルルの為になら、可愛い女の子になる努力もするから。



ねっ、クルル?







→おまけ


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あきゅろす。
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