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ハッピーエンドは夢の中?


*PJ様リク:新婚パロで、男同士だけど子供が欲しくて堪らないキョウヘイと、エロいこと大好きなヒュウの話



『次のニュースです。また、捨てられていました』


一人でいるのはどこか寂しく感じるからと、付けっ放しにしているテレビから男性の流暢な声が聞こえてくる。

台所に立ち、ざくざくと軽快にキャベツを刻んでいたキョウヘイは、その内容に手を止め、振り返った。

赤子、それも生後間もない子が、人気のない所で放置されていたというもの。

それも一人二人といった話ではなく、ここ最近急増している。

その内保護できた数はほんの僅か。

大半が既に死んでしまっていたと、声のトーンを僅かばかり落として語られた一連に、キョウヘイは眉尻を下げた。

どうして相手と愛し合った証として生まれてきた赤ちゃんを、こうも簡単に捨てられるのだろう。

キョウヘイには信じられない話だった。



僕なら、産まれた赤ちゃんは決して捨てず、大事に大事に育てるのに。



キョウヘイはつい最近、幼馴染にして兄のように慕い、結果、一線を越えて恋人となったヒュウと暮らしている。

ヒュウからはプロポーズをされ、キョウヘイもそれを承諾しているので、どちらかというと新婚の立場になるのだが、この国には同性婚を認める法律がない為、表向きは同居だ。

一部の知り合いも公認し、ヒュウと「夫婦」になったキョウヘイは、妻という立場に甘んじている。

と同時に妻なら大抵の人が望むだろう、夫との子供が欲しかった。

だがキョウヘイは、男。

そしてヒュウも男。

同性同士で子供が生まれる事はない。

養子を貰う、という手もある事にはあるのだが、キョウヘイはどうしても自分とヒュウの血を引いた子供が欲しかった。

そんな望んでも手に入る事の出来ない「赤ちゃん」を、こうも簡単に捨てられる親が信じられない。

ガチャ、玄関からドアノブを回す音が聞こえ、キョウヘイははっと思考の海から抜け出した。

包丁をまな板の上に置き、まっすぐ玄関に向かう。


「ただいま、キョウヘイ」

「お帰りなさい、ヒュウ」


仕事から帰ってきたヒュウを労う為の笑顔を浮かべる。


「ご飯にする?お風呂にする?」


荷物である鞄を持とうと手を伸ばしたキョウヘイは、不意にその手首を掴まれ、軽く引っ張られる。

つんのめった顔の輪郭に己のものとは違う男らしい手の感触、次に唇に温かなモノが触れた。

キスだ、すぐに認識したキョウヘイは、瞼を伏せてヒュウからの口づけに応えた。

薄く開いた唇の隙間を縫って、舌が入り込む。


「ん・・・っ」


くちゅり、と湿った音が小さく聞こえた後、あっさりと唇は離れていった。

互いの唾液で濡れた唇を舐め、ヒュウは言う。


「メシ食って風呂に入った後、オマエな」

「う・・・うん」


その意味を既に理解しているキョウヘイは、顔を赤く染めて小さく頷いた。





そして、予告通り。


「ぅ、ん、あっ、あっ」


互いの顔が見える程度の仄かな明かりの元、キョウヘイは寝室のベッドの上で、ヒュウに組み敷かれていた。

もうこれまで何度交わったとしても、まったく慣れない羞恥心と愛撫に意識を浮かしかけている間に、すでに秘孔にヒュウの昂りを咥えさせられている。

ヒュウが腰を動かす度に、意識が吹き飛んでしまいそうな程の快感と甘い刺激。

ぞく、ぞく、と全身を電流が走り、その都度抑える事の出来ない嬌声が喉を駆け上がっていく。

淫行に呑まれた身体は無意識にヒュウ自身を締め付け、それがかえってキョウヘイに更なる快楽を与えていた。


「・・・っ・・・、キョウヘイ、気持ちいい、か・・・?」


搾り取るかのような中の動きにヒュウもまた絶大な快楽を与えられ、うっかりイかないよう気を張りながら尋ねる。


「ん・・・、きもち、い、きもちいいっ、よぅ・・・ぁあっ」


ポロリ、とあまりの気持ち良さに溢れた涙をこぼしながら、キョウヘイはもっと、と強請る。

ドクン、と一際大きくなる中の剛直。


「ひ、や、あぁ、んっ、はぁっ、ァァンッ!!」


一層強く、弱い所を狙いたてながら、ヒュウの熱が媚肉を縦横無尽に擦りあげる。

その合間に両の指に絡められた、ヒュウの手。

絶え間ない挿入に加減が出来ない力で握り返しながら、朧な意識の中でキョウヘイは嬉しい、と思う。

子供の出来ないこの身体でも、ヒュウはこんなにも夢中になってくれている。

手を握り、常に身体の慣れ具合を確かめ、合間にキスを落としてくれる行為が、身体だけが目当てじゃないと言外に伝えてくれる。

これで、自分とヒュウの赤ちゃんが、この身に宿ってくれたらーーー。

キョウヘイはぎゅっと目を強く瞑った。

いけない。

今は「もしも」の事よりも、ヒュウとの交わりに専念したい。

ヒュウの手が、キョウヘイの高くそそり立った自身に触れてくる。

先走りだけが壊れた蛇口のように溢れていたそれを扱いてくれば、前後からの途方もない快感にあっという間に絶頂へと押しやられる。


「ぁ・・・、ーーーァァァァアアアアアアッッッ!!!」


ビュッ、と噴き出した白濁。


「くっ・・・、出す、ぞッ」


射精に比例してより一層締め付けた中の動きに、耐えきれなくなったヒュウもまた奥深くに己を挿し込み、快楽の証を流し込む。

ドク、ドク、と内側を満たしていく生温かな感触に、キョウヘイは薄く息を吐いた。









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