短編
3
空いた方の手を名無の胸元へと滑らせる。
地肌に骨張った男の掌の感触を受け、とうとう小さく声を洩らしてしまった。
「ぁ―――んぅっ!!」
僅かに開いた口の中に光秀の舌が捩じ込まれる。
名無は噛み付いてやろうと思ったのだが、脳が火照ってしまい身体から力が抜けていく。
結果、されるがままに口の中を犯される。
名無の舌を追うように光秀の舌が無遠慮にうごきまわり、絡みつく。
息をする事すら忘れてしまう刺激に脳が痺れる。
その間も光秀の手は名無の膨らみを優しく、時折乱暴に揉みしだく。
その度に名無の口から甘い吐息が零れた。
不意に光秀が唇を離す。
その口の端からはどちらの物ともつかない唾液が流れ落ちた後があった。
「おや、随分従順に身体を任せるものですね…。流石、信長公の妾。
貴女は殿の前でどんな声で啼くつもりだったのですか?」
「……うるさいっ!あの変な薬のせいです!…んっ」
赤面で講義する名無だが、彼の指が胸の頂を刺激すると声を我慢し口を閉ざした。
「……言いたい事はそれだけか」
突然、光秀の口調が変わり戸惑う。
一瞬笑みが消えた様に見えたが、気付いた頃にはまた唇の両端がつり上がっていた。
しかし笑っていない目を見ると、それが本当に笑みなのか分からなくなり恐怖が湧き上がる。
「嗚呼、申し訳ありません怯えさせてしまいましたね…。でも大丈夫、貴女は妾などではありません」
穏やかな口調に戻ったかと思うと、名無の合わせ目は素早くはだけられ、その白い肌を露にされた。
「いやあ!!」
「私の玩具です」
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