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短編
1
※激裏です。裏よりもかなり生々しい性的表現があるので、ご注意下さい※







とある屋敷の一角にある土蔵を改良して作られた座敷牢があった。

改良された物々しい扉の錠を外し、ここの主である明智光秀は静かに中へ入る。

窓一つない闇の中、いくつかの灯火が赤く周りを照らしている。



「御機嫌如何ですか?名無」


薄く笑う光秀の視線の先には、前日に織田信長の側室として選ばれたばかりの女が牢の中で座り込んでいた。

座敷牢の中には立派な机、その上には菓子や何冊もの本が。
鏡や櫛、紅などの化粧品。
さらには柔らかな布団や座り心地の良い座布団まで用意されていた。

必要以上に恵まれた状態だが、首に枷をつけられ繋がれた状態の名無は少しやつれたように見えた。

突然自分が置かれた状況を呑み込めず、昨夜叫び続けていたせいだろう。

用意されている茶には警戒しているのであろう、全く口にされていないままだった。


「何故……このような事を」

「何故?私は貴女を救ってあげているのですよ」



不思議そうな顔をして、光秀は後ろ手に扉を閉じて鍵を締め、檻の側へと近付いた。

名無の目には怒りと恐怖が混じり合っている。
彼女が身動き一つとる度に、枷と壁を繋ぐ鎖が重い金属音を響かせた。


「貴女は他国の姫にも関わらず、信長公の慰みものにされる為、半ば強引に連れてこられた」

「っ!貴方には、光秀様には関係ありません!こんな事をしてどうなっても知りませんよ!」



悲鳴の様な叫びは光秀にとっての香辛料でしかない。

檻を握る彼女の柔らかな手に光秀がそっと自分のソレを這わすと、名無はビクリと身震いしすぐに手を離した。



「…可哀想に」

「何ですって?」


「まだ若いのに愛し愛される事の無い人の元へと贈られ、まるで妾。いや人質ですねえ」

「……」



名無の目から我慢していた涙が溢れ出した。
悔しさとここへ来るまでの想いが爆発し、それは小さな嗚咽へと変わる。


「安心して下さい、此処に居れば何も悲しまなくて良い。私がいるのですからね…」


不吉な笑みを深め、光秀は檻の鍵を開けた。

それに気付いた名無は弾かれた様に顔を上げ、檻の中を逃げ惑う。
一瞬外へ出られれば!と思ったが、首に枷が嵌められているので檻の中でしか自由に動けない。


絶望的な状況に身を竦ませる彼女の前に、長身の男が上から覗き込む。



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