短編
6
「随分丁寧だね」
ドキリと心臓が跳ねる。
ゆっくりゆっくり洗っているのがバレているようだ。
だって、だって無理!
半兵衛とは勿論夜を共にしたことはあるけど、行為はいつも暗闇の中で行われた。
でも今は明るい…。
と言うことは見えてしまう。
洗う事に集中して冷静になりかけていたのが、またのぼせた様な熱が上がってきた。
!
いい事思いついた!
背中に回って手を延ばして前を洗ってしまえばいい!
そうすれば見えない!
くるりと半兵衛の背に回る。
すると瞬時に半兵衛もこちらを向いた。
「ひっ!!」
0距離で半兵衛の深い闇に淡い紫色を落としたような瞳が私を見つめる。
「駄目だよそんな誤魔化しは、ちゃんと洗う側を見て。
膝をつくんだ、早く」
「うぅー…」
有無を言わせない威圧感に、恐る恐る身を屈める。
目の前に半兵衛の男性自身が突きつけられる。
直視…出来ない。
洗おうと手を伸ばすと、その手を半兵衛が制した。
「泡で洗う前に君が洗って」
「???」
理解できず彼を見上げると、頭の後ろに手がそえられた。
「君が、口で洗うんだ」
「へ!?ぅっ!!」
彼の先端が口に触れたかと思うと、一気に咥内を突き上げられた。
両手で頭を掴まれ、獣の様に私の口の中が侵されてゆく。
酔ってしまいそうな男性の味が広がってゆく。
苦しいのに、私の身体の芯はどんどん熱が上がってきている。
「っ名無」
苦しげな半兵衛の声が聞こえた。
覚悟を決めたが、口の中に精液が発射される事は無く、素早く口から抜けると今度は私を押し倒した。
「名無、2人でいこう」
「は、半兵衛ぇ…」
艶っぽく苦しげな声が私を蕩けさせる。
もう、好きにしていいよ。
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