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ridicule
殴らた口元からは血がでて壁にぶつけた背中が熱を持って痛い


「お前、いい加減にしろよ?俺が手加減してやってるうちにその浮気癖やめろ」
「なに?手加減なんてしてくれてたんだ?」


嘲笑った笑みに答えとばかりに腹に蹴りが入る
それでも消えない笑みに男は忌々しげに舌打ちする


「可愛くねえな。これならさっきの奴のほうが泣き叫んで楽しかったぜ」
「さっき?」
「わかってんだろ?お前の上で馬鹿みたいに腰振ってた猿だよ」


口角を上げニヒルに笑う男はしゃがみこむと俺の髪を無造作に掴む

「言ってたぜ?誘ったのはお前だって。ぐしゃぐしゃに泣いたきったねー顔で、な」

無理矢理あげられた頬を手のひらが襲う
傾いた顔のまま見上げ鼻で笑ってやる

「はっいつものことだろ?」

男の心境を表すように乱暴に頭を壁に叩きつけられる

「ッなに?これも手加減してくれてんの?」

頬を殴りつけ倒れた俺に跨り首に手をかける

「お前、まじいい加減にしろよ。なあ」

少しだけ力が入る
まるで、最後の警告のように


「気に食わないなら捨てるなり殺すなり好きにすれば良いだろ?借金は返し終わってんだ」


ぎりぎりと力を込められ息が出来ない
それでも俺の四肢は投げ出されたまま

「抵抗しねーのか?」

俺は目を閉じる
彼の力は、入ったまま


「なあ、そうじゃねーだろ?なんだよそれ。確かに借金のかたに要求したのは俺だ」


ふっと力が抜ける
一気に呼吸が戻りむせる。男はそれをただ無表情に、でも悲しそうな目で見下ろす


「借金が返し終わった時、それでも一緒にいてくれるって言ったじゃねーか。何がお前を変えたんだよ」
「あんたへの借金しかなかった俺が今更どこへ行けってんだ」

男が傷ついた目をする

「その為に、俺といたのか」
「別に。あんたといるのも悪くないと思っただけだ」
「じゃあ、なんで」
「勘違いすんなよ、俺は変わった訳じゃない。借金がなくなって、俺の所有権があんたから俺になった」

たとえ自分のことでも決定権は俺にはなくて、俺の全てがあんたのものだった
借金がなくなって、俺の全てが俺に戻った
ただそれだけ
なにも変わってなんかいない



「それに浮気じゃねーよ?『浮』ついた『気』持ちなんてねーからな」


‥‥‥
そんな気持ちどこかに置いてきた

中途半端!なんか申し訳ない> <

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