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狂鳴
1 #01
―――――1997年11月、この辺り一帯で大きな通り魔事件が起きた―――――


 「じゃあ、この問題を………宮川君。」
教室の中からは応える声がない。
「あれ?宮川く〜ん??」

「おい、優。」
窓側の列の一番後ろの席の男子、近藤要(こんどうかなめ)が囁くように呼び掛ける。しかし、その前の席、優と呼ばれた男子、宮川優(みやかわすぐる)は机に突っ伏したまま動かない。

「宮川〜?」

「おい、優、起きろって。」
要の必死の呼び掛けにも全く反応せず、依然として優はスースーと寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている。

「宮川!起きなさい宮川!!」

「ぉ、おい…」
先生の怒りのボルテージは頂点に達しようとしている。

「宮川優!!!」
ガンッ
先生の一喝と要の椅子に向けての強烈な蹴りが同時に優に襲いかかった。
「は、はいィッ!!」
優は驚いて勢いよく立ち上がった。
「授業中に気持ち良くお昼寝とは、大した度胸ねぇ、宮川クン?」
「…へ?」
教室中からクスクス笑いが聞こえる。後ろを振り向くと要が、あちゃ〜という表情で頭に手を当てていた。前を見ると先生が怒りの表情を浮かべ、仁王立ちをしている。どうやら僕は授業中に爆睡していたらしい。
「す、すいません…」
「…ま、もういいわ。座りなさい。放課後、職員室に来ること。いいわね?」
「はい…」
先生は呆れた表情で溜め息を吐くと授業を再開した。



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あきゅろす。
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