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プロローグ #01
 あの夜はいつもと変わらない夜、のはずだった。そう、あの出来事が起こらなければ………。

 父親、母親、妹、僕の家族四人揃ってのいつもと同じ晩ご飯。父、母、妹の三人が楽しそうに会話をしている。けれど、家族の団欒に僕は参加しない。というか出来ない。僕には三人が何を話しているのかが分からない……僕は耳が聞こえない。そんな僕を無視して三人は会話をしている。僕はいつもそこに存在していないかのように扱われる。家族はみんな僕が居なければいいと思っているんだ、きっと。

 なんて事をいつものように考えていると、急に母が立ち上がった。玄関に向かったところからすると、きっと誰かが訪ねてきたんだろう。僕は気にせず食事を続ける。父も妹も構わず会話を続ける。暫くして訪ねてきた誰かが帰ったのか母が戻って来た。なんとなく顔色が悪くなっているような………



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