欲求 /テスノイ※BL 何処へ行っていたのか一目で判る姿。白い肌に血を付着させたままベッドへと沈む主に、その血を洗い流すよう促す。だが、それに対しての返答はない。 仰向けになり目を瞑る主に近付き、だらしなく放り出された腕を見詰める。既に赤黒く変色しているそれはまるで主を支配したかの様に存在を主張し、それが至極不愉快に感じて主の腕に付着した血を自らの舌で舐め取る。 それに反応してか、主の体が微かに動いた。しかしそれだけだ。言葉を発することも、壁に立て掛けてある斬魄刀をこちらに向けるわけでもない。 付着していた血が消えたのを確認し、唇を離す。その瞬間主が薄く目を開いた。 「これで満足か」 天井を見詰めていた視線が不意に此方へ向く。 「お前は汚ねぇ欲の塊だな、テスラ」 そう言って体を横に向ける。目の前にある主の背中にそっと触れてみるが、相変わらず反応はない。そのまま眠りにつこうとする主に毛布をかけ、何も言わず部屋を出る。 口内に残る血の臭いと肌の感触を味わうと、先程までの痴態と言うべき行動に目眩がした。 それでも、穢らわしい欲が尽きることはない。 ←→ |