所謂ツンデレですよね 我が主、元就様は一見気難しいお方の様に思われがちだ(まぁ実際そうなのだが) しかしながらその元就様にも御友人がいらっしゃる。長曾我部元親様だ。元就様に会いに来られる際は毎度カジキマグロを持って現れるという正に海の男。アニキと呼ばれ慕われている人望の厚い人物である。 かくいう私も彼を慕っている。無論色恋の類での「慕う」ではないが。それを言うならまず元就様に 「お慕いしておりますうう!」 と叫び申し上げたい所存である。いや、べつに元就様に対しても色恋沙汰に発展するような感情は一切抱いてはいないのだが、主を敬愛するばかり過剰なまでに世話を焼いたり構いたくなる。 まぁ、とりあえず今日は元親様が来られたということなのだ。 「お久しぶり…でもないですね」 「チッ…何をしに来た。用が無いのなら早々に我の視界から消え失せるが良い」 「相変わらず冷てぇな。せっかく会いに来てやったってのによ〜」 「会いに来いと言った覚えはないぞ」 先程から元就様の眉間に皺が寄りっぱなしだ。会いに来られて不愉快なわけではないのだろうが、いかんせん元就様は素直でないお方だ。それ故にこの様な態度を取られているのであろう。それは元親様もお分かりの筈だ。その証に元就様が明らかに失礼な発言をされても笑って流しておられる。流石は海の男。心の広さも半端ではない。 「すみません、元親様。元就様も本当は嬉しいんです。ただ素直でないのでこういう明らかに狙った様な、むしろ私が嬉しくなる様な態度を取られているだけなんです」 「おう、(色々と)気にしてねぇよ!」 「余計な事を言うでない!!」 「元就様も素直になりましょうよ。毎日私とイチャつくのも飽きてらっしゃるでしょう?たまには違う方と仲良くするのも良い事だと思いますよ」 「誤解を招くような発言は慎め!適当な事を申すでないぞ!」 「2人はそういう関係にまでなったのか!良かったなぁ元就!これで毛利家も安泰だな!」 「こやつの言っている事を真に受けるでない!」 今にも輪刀を手にして暴れ出しそうな元就様を見ながら元親様は大笑いをしていらっしゃる。私以外とはあまり人と行動を共にすることがない元就様にとって元親様という存在は良い刺激だと思う。 これ程までに主の事を考えているなんて自分で自分を誉め称えたい限りだ。まぁ出来れば元就様に誉めて頂きたいが。いつもは誉めるどころか私を苛めるかパシリにするか、はたまた鬼畜ゲージをMAXまで高めそれを遺憾なく私にぶつけるかのどれかだ。オクラの一件然り。 「こんなにも元就様のことを想っているのに…オクラも食べれなくなるし…」 ぽつりと呟いた私の言葉に元親様が待ってましたと言わんばかりに食らい付いた。 「元就ぃ〜今の聞いたか〜?」 「う、うるさい!黙れ半裸男が!!」 「顔真っ赤にしながら言われても迫力の欠片もねぇぞ」 「……焼け焦げよ!!!」 「ちょッ待て待て待て!丸腰相手に物騒なもん出すんじゃねぇよ!!うわあああ!こっち来るんじゃねええ!!」 我が子に手を出すわけがなかろうが! ←→ |