Free★Novel Coeterno >>ディヒバ+10。恭弥誕生日フリー文。甘い。 一年に一度のおめでとう。 今年も、お前におめでとう。 ■Coeterno■□■ 「Boun Compleanno,Kyoya!」 大きな音を立てて開いた襖から、大きな声を上げて入ってくるあなた。静かだった和室が一気に五月蝿くなる。白黒だった空間が、一気に華やかになる。あなたが一歩踏み込むだけで色づき始める僕の世界。 和室とはミスマッチな彼の姿。妙に着込んだ黒のスーツときっちりと締めたシルバーのネクタイ。彼のキラキラと眩く甘い蜂蜜色の髪がよく栄えている。そして極めつけに彼の飛びっきりの笑顔。 「誕生日おめでとう、恭弥!」 繰り返される僕の誕生日を祝う彼の言葉。ニコニコ笑う彼を見上げる僕は昔に比べて随分と上手く笑えるようになった。 微笑んだ僕に彼が突き出したのは真っ赤な薔薇の花束だった。畳にハラハラと舞い散る数枚の花びら。彼が毎年僕の誕生日に必ず贈ってくれるものだ。今年も、また一輪増えている薔薇。 「もう恭弥も25歳だな。」 だから25本な!と笑う彼は僕と目線を合わせるためにその場に胡座をかいて座った。いつも僕の年齢の数だけくれる赤い薔薇。貰った薔薇を昔は応接室に、今はこの和室に決まって飾っていた。どちらにも似合わない、そこだけが切り離された空間のように映る薔薇。特別なあなたにもらった特別な物が、僕の日常とは少し違う“特別”として映るのはとても嬉しいことだった。 赤い薔薇を受け取り顔を花に埋める。甘い香りがふわりと僕を包む。 「やっぱり恭弥は赤が似合うな。」 白雪姫みたいだ、なんてふざけたことを言う。頭沸いてんじゃないの?と悪態をつけば彼は笑って僕の髪をくしゃっと撫でてくれた。彼の大きな暖かい手が好きだった。 なぁ恭弥、覚えてるか?と楽しそうに話すあなた。何?とぶっきらぼうに返す僕に彼は更に嬉しそうな表情を浮かべる。 「俺が恭弥の誕生日を祝うの、今年で10回目なんだ。」 「ふーん…」 ――覚えてるよ。 彼から“おめでとう”をもらうのも10回目。彼から薔薇をもらうのも10回目。 大好きなあなたと過ごす僕の生まれた日。 「恭弥。」 呼ばれた名前。胸がトクンと波打った。真面目な顔をした彼は片膝をついて胸に片手を当てる。紳士のような振る舞いを見せる彼はもう片方の手をポケットに忍ばせ、藍色の小さな箱を取り出した。その箱を開ければ入っていたのは綺麗に輝く指輪だった。 「俺と結婚してくれないか?」 少し頬を赤く染めた彼はそう言って僕の左の薬指に輝く指輪をはめた。僕の頬も、貰った薔薇に負けないくらいに赤く染まる。 「…ベタだね。」 「ははッ、やっぱり?」 「うん…。でも――」 嫌いじゃないよ。 甘い薔薇の香りにも、輝く指輪の光にも劣らないぐらいのベタなプロポーズ。 指輪に刻まれた“coeterno”の文字。永久に一緒だなんて有り得ないことなのに…あなたとなら有り得るんじゃないかと思えてしまう。僕の頭もそろそろおかしくなってしまったんだろう。 「いいよ。あなたになら僕の一生をあげる。」 和室にスーツ、畳に散らばる真っ赤な薔薇の花、黒い着物に光る指輪。どれもおかしな組み合わせで不可思議だけど、僕にとっての大切な“特別”。 そんな“特別”なあなたと交わす25歳になって初めての甘い甘いキス。 幸せにしてよね? *fin* ●ァトガキ●○● 恭弥,HappyBirthday! ォメデd(*○´∀`pq) てな訳でフリー文。今回ゎ10年後設定で★ 昨日思い出して書き始めたカラ内容滅茶苦茶ですが;; 愛だけゎぁりマス!ワラ! よろしければ持って帰ってやって下さい(^-^) 配布期間⇒08.05末まで Back←Next→ [戻る] |