Reborn★Short
Special Day
>>ザンヒバ。ザンザス様誕生日ネタ。甘い。
欲しいものは力ずくでも手に入れる。
それが俺の“絶対的ルール”。
■Special Day■□■
リング争奪戦から早5年、奴がヴァリアーに入隊してから早1ヶ月。“ボンゴレのエース”とは上手く言ったものだ。この僅かな時間で奴はヴァリアーの仕事や内部事情を全て把握し、今となっては立派なヴァリアーの幹部――俺の側近だ。
群れるのは嫌いだ、と断固として断った奴の意志などは無視して決めた“側近”という役職。
「どうして君は、わざわざ僕なんかをボンゴレから引き抜いたんだい?」
仕事の報告が済んだ次の瞬間に問われた質問。報告書の束を机でトントンと整え直すそいつは目を合わさずにそう言った。“僕なんか”とは随分とらしくない謙遜だった。
書類を整え終えると、どうでもいいんだけどね。と表情一つ変えることなく俺に背を向ける。片手で書類を大事そうに抱え込み、俺から遠ざかろうとしたとき、奴の細い腕を掴んでやると、クンっとこちらに引き戻された奴の体。突然のことに驚いたのか、抱えていた綺麗に整頓された書類が宙を舞った。
宙を舞ったかと思うと一瞬のうちにしてバサバサと無機質な紙が落ちる音がする。驚いた表情をキュッと締め、鋭い瞳を俺に向ける。澄んだ瞳に写るは、俺。
「…何?」
あからさまに不機嫌な奴の声、表情。それが楽しくて思わず喉をクッと鳴らして零れた笑み。その行為に更に機嫌を悪くしたのか奴の腕に残った数枚の紙っぺらが俺の上に激しく降ってきた。(正確には書類で殴られたのだが、そんなことはどうだっていい。)
「欲しかったからに決まってんだろ。」
ぶっきらぼうに放った台詞は暫く宙を彷徨って、漸く奴の脳に届いたようだ。呆けたような奴の表情。腑抜けた顔にまた笑みが零れる。
「…何言ってるの?」
腑抜けた表情から出た腑抜けた台詞。どうやら俺の“答え”は上手く届かなかったようだ。見当違いの返事に半ば苛立ちを募らせても、やはり俺はこいつに微塵の殺意も抱けなかった。
それが…答え、だ。
「お前をボンゴレから引き抜いた理由だ。」
お前が聞いてきたんだろう、と鼻で笑ってやれば、奴は心底可笑しそうに微笑んだ。
「ふふ、何それ。君は子どもかい?」
「…あ゙?」
「丸で玩具を欲しがる子どもだね。」
馬鹿にしたような台詞だが、決して俺を蔑むような台詞ではなかった。二人の間に流れる朗らかな雰囲気。…俺はこいつに出逢ってから随分と丸くなってしまった気がしてならない。
そんなことを考えていれば、ねぇ。とかけられた声。視線を奴に戻すとはにかんだような笑顔がそこにはあった。そして緩やかな弧を描いた口から急にどうしたの?と問われる。質問の意味が分からず眉間に皺を寄せ、無言のまま顰めっ面で返した。
「君が自分のことを話すなんて珍しいね。」
どうして?と首を傾げて尋ねられる。一方的な質問ばかりの会話が漸くここで成り立った。
「お前を繋ぎ止めておくためだ。」
易々と逃がすつもりはねぇ、と不敵に笑う。すると奴は、言葉なんかじゃ僕は縛られないよ。とまた目を細めた。
「僕、君のこと少し気に入ってるみたい。」
面食らったのは俺の方で、言葉に詰まった。にっこり笑った奴の表情が脳裏に貼り付く。
「…お前こそ、どういう風の吹き回しだ?」
やけに素直じゃねぇか、と鼻で笑う。皮肉を言ったつもりが、にこやかな笑顔に受け流された台詞。今日のこいつはいつも以上によく笑っている。何かいいことでもあったのか?
「今日は君の誕生日だからね。」
特別だよ、とまた笑う。
何てくだらねぇ理由。何て馬鹿げた理由。
そんな理由に振り回されて掻き回される俺は、
「――俺も同じだ。」
随分とこいつに依存してしまっている。
*fin*
●ァトガキ●○●
本当に…今更ネタ。
ザンザス様の誕生日カラ,早1ヶ月は経ちました;;
あわわわ((((((ノ゜凵K)ノ すみません↓
愛ダケは籠もってると思います★
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