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Reborn★Short
Selfish
>>黒ツナヒバ+10。身勝手なボス。暴力表現注意!




雲雀…


お前が、悪いんだぞ?



■Selfish■□■



ボンゴレファミリー全体が動いたのなんていつぶりだろうか?

別に、綱吉が出てくるような大きな山でもなかったし…僕達だけでも十分だった。でも何故か俺も出る、と言って聞かない綱吉の絶対的意見に誰も逆らえることなく、今に至る。まぁ僕としては誰がどうしようが関係のないことだ。(何て口には出したりしないけれど…)


敵アジトに辿り着いた僕達は、アジト内へと突入するためにランボと了平、突破後の囮に山本と獄寺、外部から指揮を下すために骸、敵の首謀者撃破に綱吉と僕が動くことになった。(本当は誰の助けも借りたくはないし、誰の指示にだって従いたくはないし、誰かと協力して咬み殺しに行くだなんて最高に嫌だったが、綱吉の命だから仕方がなかった。)

だから、今ボンゴレのボスの命を預かってる守護者は僕だけ。別にそれがどうこうって訳じゃないけれど…ボスが絶対なマフィア社会。(そんな法則は無視してるのは僕だけど。)とりあえず形だけでも僕は綱吉を守らないといけないみたいだ。




『ガガッ――沢田綱吉、雲雀君…部屋には首謀者一人しかいないようです。敵援護がそこへ着く前に殺っちゃった方が得策でしょう。』

骸の状況を説明する声がイヤホンから途切れ途切れに聞こえてくる。


「雲雀、次のタイミングで乗り込むぞ。」

綱吉はスッカリ、マフィアのボスが板について…今では丸で恐いものはないかのようにいつでも誰に対してもこの強気だ。あのあどけなく幼い綱吉は何処かに行ってしまったみたい。(これが元々の彼の本性だったのかも知れない。)



綱吉の声を合図に僕達は首謀者の一人いる部屋に乗り込んだ。慌てる首謀者。まぁ普通は僕が先立つべきなんだろうけど、綱吉の方が僕より前に立って嬉しそうに相手に銃口を向けている。

骸の作戦でも僕が囮になり冷静さを欠いた首謀者を綱吉が仕留める、と言うものだった。(僕が囮になるだなんて不本意だったが、これが一番確実だと骸は安全策を取らせた。)

なんて身勝手なボスだろうか…



「喧嘩する相手を間違ったな…。ジ・エンドだ。」


ズドンッ―――!


部屋に鳴り響いた銃声。それとほぼ同時に吹き出し部屋の壁やら絨毯を汚した赤い液体。

その凄まじくけたたましい音を轟かせたのは綱吉の銃口、ではなく敵首謀者の銃口だった。吹き出した血も敵首謀者のもの、ではなく僕のものだった。

「雲雀ッ―――!?」


命の危機に慌てた敵首謀者が咄嗟に引いた引き金。僕を狙って撃たれたものじゃない。相手の狙いは勿論綱吉だ。

僕が押しとばした綱吉は部屋の端っこで僕の名前を呼んでいた。幸い僕が撃たれたのは右の二の腕辺りだ。左に持ち替えた拳銃で相手を狙う。


ズドンッ―――!

この部屋に入ってから二度目の銃声は今度こそ綱吉の拳銃から発せられたものだった。その後も何度も何度も響く銃声。その銃声は綱吉の足音なんて揉み消してしまう。相手の急所は敢えて外し、腕やら足やら指先やらを撃ち続ける。敵首謀者は死ねない苦しさと未だ続く拷問に発狂している。

綱吉の表情は酷く余裕をなくしていた。




「…ねぇ、もういいんじゃない?」


その僕の一言が酷く綱吉を刺激してしまったみたいだった。物凄い形相で睨みつけられる。ピリピリと伝わってくる綱吉の殺気が肌を痺れさせる。


「お前はこいつを庇うのか?」

綱吉のドスの効いた声。そんな声も出すんだ、なんて少し関心を寄せていると綱吉が少しずつ僕に歩み寄って来た。

別に敵を庇った訳じゃない。綱吉のああいった表情とかは好きじゃなかったから止めただけだ。(何て、面倒だから特に弁解したりはしないけど。)



部屋のちょうど中央辺りにいる僕に詰め寄った綱吉は変わらない目線から見下ろしてくる。挑発的な綱吉の瞳に僕が写る。綱吉がにっと笑ったと同時に右腕に走る激痛。綱吉の細い指先が、先程の銃弾が掠った傷口に入り込む。嬉しそうに笑った綱吉の瞳に写る僕の顔は一気に余裕がなくなっていた。


「…ッ、何?」

変な汗が噴き出してきた。痛いとかそんなんじゃなくて、綱吉が少し怖かった。相変わらず笑い続ける綱吉は次第に力が加算されていく。何処かの血管を傷つけたのか血が噴き出した。

「はっ、“何?”じゃねぇよ。聞いてんのはこっちだ。」

鼻で笑う綱吉。笑って見せてはいるけど、目は決して笑っていない。どうやら面倒とか言ってる場合じゃないみたいだ。綱吉に迫らせるように口を開く。


「…別にッ、そんな奴庇ってない。」

綱吉の顔から貼り付けた笑顔が消え去った。一瞬だけ引きつった綱吉の表情。

「…じゃあ何故止めた…?」

離された腕。だらんとした腕には力が入るどころか血液が行き渡っていなかった為か指先がしびれ始める。綱吉の手からも絨毯に滴り落ちる僕の血。キッと目を鋭く細めた綱吉の目に耐えきれなくて思わず反らした顔。それが気に食わなかったのか僕の血の滴る手で僕の顎から頬を乱暴に掴み、無理矢理視線を合わせる。

「綱吉の、そういう所は見たくない…」

視線だけはやはり逃げてしまった。綱吉の顔は見れなかった。マフィアなんだから人を殺したことだって殺すことだってあるだろう。今更見たくないだなんて矛盾だらけだ。馬鹿げたことを言っているのは分かってる。

だけど…本心でもあった。




何だか少し泣きそうになった。涙を堪えるように顔をしかめると、今度は綱吉の本当に楽しそうな笑い声が耳に入った。


「ははッ、何だそれ。」

綱吉の手から自由になった顔がカッと熱くなった。次の瞬間―――




綱吉の唇によって塞がれた僕のそれ。突然のキスに対応できない僕の心拍数は五月蝿い程にバクバク言っている。


「お前を傷付けていいのは俺だけだ。」

覚えとけ、と不敵に笑い舌なめずりする綱吉はやけに楽しそうに笑っていた。




…何て、身勝手なボスだろうか。



乱されることなどなかった僕の秩序を見事に乱していく綱吉。





身勝手なボスの、身勝手な愛に振り回されるのは…



―――身勝手な僕だ。





*fin*




●ァトガキ●○●

お疲れ様デス。

黒ツナとそれに逆らえナィ恭弥が書きたかったダケ…((-ν-;;*笑
それ故結末超意味ぷ…。スィマセン;;

二人がラブってるのは発狂してる敵もしくは遺体になってる敵の前。骸サンにも見られてる可能性大!

もっと計画的に書いた方がィイですね...( 。 。)

最後まで呼んでくださりありがとうございました!

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あきゅろす。
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