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Reborn★Short
Look Me&Love Me
>>獄ヒバ。甘い。またまた器の小さな獄寺クン;;




意気地なし…。




■Look Me&Love Me■□■



好きだ、と彼は顔を赤らめて言った。顔が赤く映ったのはきっと夕日の所為だけじゃない。静かな応接室に響いた彼の声は、とてもとても愛おしかった。


それが、2ヶ月前。




彼の気持ちに答えて直ぐの頃は彼の僕に対する笑顔も増えたし、僕の彼に対する扱いだって少しずつ素直なものになっていった(はずだ)。でも最近は彼の態度があからさまに変わってしまった。

僕を…避けている。


何?もう僕に愛想を尽かしたの?僕が、女みたいな素直さを持っていないから?

一人で浮かれているみたいで…何だか僕が馬鹿みたいじゃないか。







「――ねぇ…?」
「…、ん?」

ほら、また。

僕と目を合わそうとしない君。僕の顔を見たくないなら、わざわざ毎日応接室に来なければいいじゃないか!


苛々、イライラ、いらいら…


募る思いは苛々ばかり。むしゃくしゃする。噛み殺してやりたい。

君は、僕を馬鹿にしてるの?

君は僕を見ない。僕は君ばかりを見ている。なんて…惨めな僕。なんて…可哀想な僕。なんて…滑稽な僕。



「…もう、来ないでよ。もう僕に構わないで。」

これ以上惨めな思いはたくさんだ。傷つくなら…まだ愛が深くない方がいい。(僕だって…傷つくのは怖いんだよ?)


僕も彼の目を見ないでそう言ってやった。すると君は火を付けようとしていたタバコをポロリと口から落とした。慌てる君から仄かに香る香水の匂い、馬鹿みたいな顔、柔らかな声。その全てが愛おしいのに…。今はただただ怖かった。


「お、前…それ本気で言ってんのか?」

君こそその台詞は本音かい?と聞き返してやりたかったが、話をややこしくするのが嫌だったから止めた。やっと彼の視界に僕が映っている。こんな状況なのに、その事実が少しだけ嬉しかった。

(嗚呼…もう既に僕は君にどっぷりと依存してしまってるじゃないか。なんて愚か!)


「君の為に言ってあげてるんじゃない。」

皮肉を言う僕は何処までも可哀想。虚しい愛だけが僕の中で悲鳴を上げている。

「お、れの為?何だよ、それ!?意味わかんねぇ!」

声を荒げる君。僕だって君の言ってることの意味がわからないよ。だって、君……





「僕のこと嫌いなんでしょう?」


応接室が静寂に包まれた。聞こえるのはいつもは静かな時計の針の音だけ。視界の端っこに映る君は、何てふざけた顔。…笑っちゃうよ。(そんな君よりも遥かに自分が滑稽過ぎて、笑いそうになっちゃったよ!)


「お前、何言ってんの?俺が雲雀を嫌いになる訳ねぇだろ。」

第一嫌いなら毎日会いに来ねぇよ、と君。




またそうやって、君は僕を罠に陥れる気かい?生憎僕はそこまで馬鹿じゃないよ。


信じない、信じない、信じない(、信じたいッ)!

(どうやら僕は正真正銘の馬鹿らしい…)


「…嘘。」
「嘘じゃねぇよ。」
「…嘘だよ、馬鹿にしないで。」
「嘘でもねぇし、馬鹿にもしてねぇ。」


「…嘘つきは、嫌い。」


なんて女々しい!なんて情けない!なんて天の邪鬼!(こんな自分はもっと嫌い!)


「…何で俺がお前を嫌いだって思うんだよ。」

君は頭をボリボリ掻いてそう言った。

何で?
君の行動の全てが“もう僕を好きじゃない”と語っているじゃないか!



「君は、沢田をよく見てる。」
「そりゃ、俺は10代目の右腕だから…」
「君は、山本もよく見てる。」
「それは、10代目に失礼なことしてねぇか見てんだよ…」
「君は、赤ん坊もよく見てる。」
「尊敬できるヒットマンだからだろ。」
「でも、君は…




―――僕を見ない。」


それは…、と言葉に詰まった君。何だか泣きそうになった。並中風紀委員長がたかが色恋沙汰で泣きそうになるだなんて…随分落ちぶれたものだ。(君はさぞかし気分がいいだろうね!)






「それは――!何か、欲情、しちまうんだよ…お前見てっと…。」


言わすなよ、と顔を真っ赤にした君が…僕の隣にいた。



それって…僕のことを好きって、こと?




「…意気地なし。」
「あ゙あッ!?」

さらに顔を真っ赤にした君は、丸で蛸みたいだ。(“タコヘッド”なんて、了平もなかなか上手いこと言うじゃないか。)


「手、出せばいいじゃない。」
「………は?」
「だから、僕も君が好き。僕も君と同じ気持ちを持ってる。」
「…、それって…」
「くどいね。何回言わせる気?」

馬鹿な奴も嫌い、と強がる僕が一番馬鹿だ。君の気持ちを知るのにこんなにも時間がかかってしまうだなんて。


「――不安に、させないで。」

か細くなった僕の声は君に届いたかわからない。ただ君が眩しいくらいの笑顔を僕に向けるものだから、僕は酷く泣きそうになった。胸が熱い。

「雲雀を、傷つけたくなかったんだよ。ごめんな?」

紡がれる君の気持ちが嬉しかった。君の僕に対する大きな愛が嬉しかった。

照れ屋な君がくれた素直な君の気持ち。お返しに僕の素直な気持ちも、君にあげる。(…素直になるのは難しいな。)


「…君に嫌われる以外、何も、怖くない。」



この思いはきちんと届いたみたい。僕の唇に君のそれを重ねて、僕達は愛を確かめる。



意気地なしな君と、

素直になれない僕の


小さなすれ違いは、大きな愛を齎した。






*fin*




●ァトガキ●○●

獄ヒバは好きだケド,難しい(^-^;ワラ〃
甘い話を書きたかったのに…最初の方何だかシリアスだ!汗!しかも獄寺クンの名前出してナィ゚。ダメダメデス。

最後までォ付き合い下さりありがとうございました★

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