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11 part of me*



やっぱりと言うべきか、白ひげ一行はその後ナマエが船に乗っているものだと思って航海を始めたらしい。それにしたって三日間も気付かないなんて、らしいと言えばらしいのだが。やるせない思いがしないでもないナマエであったが、助けに来てくれただけありがたい事だった。なぜなら、こんな風に二回も助けられたのは初めてだからだ。大抵は居ないなら居ないものとして置いていかれる。シャワーが浴室へ打ち付ける水音を聞きながら、息を吐くナマエはぐったりとその場に膝を付いて実に三日振りの温かい湯に目を閉じた。頭のてっぺんから汚れと疲れが落ちていくような錯覚。やっと肩の力が抜ける。一日中飛び続け、ナマエの捕まる船へと舞い戻ってきたマルコの計らいで、彼らは近くの街に宿をとり一泊してから船へ戻ることにした。

ナマエはシャワーの熱いお湯を背に浴びながら浴槽の縁に手を置き両膝を広げた。後孔へ人差し指と中指の先を埋めて、さっきの今のせいで柔らかいそこを両指でゆっくりと広げる。腹筋に力を入れれば、白濁した液体がとろりと指の間を零れ落ち、太股へ垂れ落ちる。今更こんな事後処理に興奮したりなんかはしないが、どうも後孔の中に溜まった液体が流れ出す感覚は気持ちが悪かった。



「マルコ、面白い?」



ナマエは眉をしかめながら、さっきから浴室の扉に体を預けて堂々とこちらを凝視するマルコを一瞥した。後孔からいつまでも溢れ出す誰のかもわからない精液に感心したように、案外たくさん入るんだねい、なんてとんでもない事を呟いたマルコ。彼はシャツだけを脱衣場に放り投げ、面倒だったのかいつものズボンは着たまま浴室へ入ると、シャワーで濡れない浴槽の縁に腰を落とす。少し一休みしようと液体を掻きだしていた指を外し、不振な行動をするマルコを見上げていたナマエに、彼は分厚い唇を持ち上げて悪戯っぽく笑うと、銀色の濡れた髪をくしゃりと撫でた。





〔part of me〕





鏡に両手を付いたナマエは、自身の後ろで唇を濡らしたマルコをじっと見つめた。ナマエの視線に気付いたのか、彼は鏡越しにナマエを見つめ返す。青色の瞳がナマエを見て意地悪く笑ったのと、後孔へ節ばった男の指が押し入ってきたのはほぼ同時。息を止め、目を閉じたナマエの視界には何も写らなくなった。あるのは、冷たい鏡の感触と、シャワーの音。それからナカのものを掻き出そうと抜き差しされるマルコの指だけ。ナマエは瞳を閉じたまま、鏡へ額を擦り付け、下腹部に集まる熱とマルコが生み出す疼きを堪えた。精液を掻き出そうとマルコの指が曲がる。太股へ流れ出す白いそれが、孔の内では潤滑剤の代わりになり容易に指を根元までくわえたナマエのそこは、マルコが少しでも指を動かす度にヒクつき彼の指を締め付けた。

体を支えきれずに上半身全体を鏡へ預けたナマエは荒く呼吸を繰り返す。ただの処理に終わるわけがないと覚悟はしていたが、自身の性器はマルコに触られ、ものの数分ですっかり上を向いていた。好き放題にナカで動いていた指が突然、ずる、と引き抜かれ、否応なしに飛び上がるナマエの体。入口付近を数回掻き回した指は突然、彼の前立腺を的確に擦り出した。額を鏡へ擦り付け、たまらず鳴き声を上げながら目の前で反らされた背骨へ、マルコは前立腺を擦る指を止めずにキスを落とす。



「気持ちよさそうだねい」

「んっ、は…!っあ、」



薄く瞼を持ち上げたナマエは、自分の吐息で曇ってしまった鏡にうっすらと写ったマルコの姿を視認し、彼にしては余裕のなさそうなその表情に、何だか嬉しくて笑ったが、マルコの手のひらに性器を握られ、笑みを浮かべていた口元はすぐに喘ぎを上げるだけとなった。どうやら笑っているところをマルコに見られたらしい。後ろと前を同時に弄られ、いよいよ足に力の入らなくなったナマエは指を引き抜かれたと同時にずるずるとその場へ座り込んだ。

冷たいタイルへ背を預けたナマエの手前で膝を付いたマルコは自身のズボンのベルトを外し、下着をずらす。あのいつも冷静沈着なマルコが、眉間に皺を寄せて茶化しの一つも言わずに、おれを求めている。その事実だけがナマエを興奮させた。マルコ、と彼の名を呼び、首筋へ腕を回したナマエは、湿った唇へしゃぶりつく。ナマエの口付けに応えながら、マルコは彼の膝裏へ手を差し入れ、足を目一杯まで開かせた。散々弄られて解れた孔へ自身のものを数回擦り付け、ゆっくり埋めていく。震えるナマエの膝、キツい程に締め付ける内壁、熱い吐息、中央へ寄せられた眉、断続的に声を漏らす唇、反らされる白い首筋にタイルへ張り付く銀髪。そしてマルコから絶対に目を反らさない滲む金色の瞳。そこには理性なんてものはなくて、獲物を挑発するみたいに爛々とした瞳があった。



「…っ、そそるよい」

「ん、あ!…ああっ、あ!」



ナマエはマルコの首筋にきつく抱きついた。奥深くまで突き上げられる度に目の前が白み、自身の一部となったマルコに身体も意識も蝕まれていく。もう限界だ、と中心に集まる熱がどんどん登ってくる感覚に、ナマエは頭を振って、イく、と泣き声を上げるが、もう少し辛抱しろよいなんて酷い事をマルコが言う。しかし、そんな耐え性がナマエにある訳もなく、マルコの答えも聞かずに熱を解放してしまった彼はキツくマルコの性器を締め上げる。眉間に皺を寄せて険しくなる顔をナマエは見上げた。熱いものが腹の中に吐き出される感覚。その後ナマエは、最初の目的を思い出して後悔することとなる。



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(ぎゃああああ!マルコぉお!)(急に叫ぶんじゃねえ…うるせえよい)(とうとうおれのケツから血が出たよい!)








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