How to go
有り得ないは有り得ない
 突然の大声にビビってコウの方を恐る恐る見やると、物凄い顔をして俺を凝視してた。目がカッと見開いてるぞ!カッと!

「十五……? 有り得ぬだろう」
「これは……驚きましたなぁ、陛下。どうやら『鳥』は年齢より幼く見えるもののようです」
「ああ、いやしかし、程度と言うものが……まだ十にも満たぬと思っておったぞ」
「な、なんだと!? いくらなんでも10才未満はないだろ! 失敬な奴らだな!」

 酷い。酷すぎる。屈辱的だ。いくら俺が標準よりちっちゃいって言ってもだ。これから成長期の俺に向かって、10才はないだろ!10才は!
 そりゃ、俺は150cmをやっと超したとこで、クラスでも前から3番目だった。しょうがないじゃないか、現代日本の栄養過多パワーを持ってしても、遺伝にはかなわんのだ。うちはお父さんがちっちゃいんだもん(158cm)。お母さんの方がでかいんだもん(164cm)。しかし俺は母遺伝子にまだ希望を持ってるんだ!希望を打ち砕いてくれるな!

「だから、まだまだ大っきくなるんだ俺は!」
「……」
「……」
「失礼。宮の準備が調いましてございます」

 俺が遺伝子への不満とこれからの決意を声高に叫んだところで、第三者が割り込んできた。門で見た戦士っぽい人と同じ格好をした、若い男の人だ。しかしこの世界……皆でかいな。ここにいる三人とも、180以上ありそうだぞ。だから俺がちびっ子に見られるのか。

「ああ、わかった。忠吾が伝令役とは珍しいな」
「……陛下にお話がございまして」
「だそうですよ、陛下。小言はきちんと聞いてやって下さいね。私はヨウタ様を宮にお連れいたします」

 チュウゴさんとやらに睨まれたコウが苦笑して、イシュウさんに片手を振った。そして俺は促されるまま、笑みをたたえ続けるイシュウさんの後に付いていくことになった。
 ちょっと……このイシュウさんは、得体がしれなくて、怖いんだよなぁ。


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あきゅろす。
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