あまい花

 さて……どうしよう。
 昨日は久しぶりによく眠れた……気がする。今日の俺は絶好調……な、気がする。朝の占いも1位だったしな。
 しかしそんな絶好調な俺をもってしても、ハードルが高すぎる問題というものはある。それは小山田くんにどうやってお返事をしたらいいものか、というものだ。
 うだうだと思い悩んでいたら、あっという間に昼休みになってしまった。小山田と昼飯でも食って、その後に話をしようと思っていたのに、肝心なランチのお誘いができずにいる。察してくれ、緊張のあまり手が震えている有様なのだ……メールひとつ送るのに、こうも緊張するとは思わなかった……。

(そうだ……こ、浩輔に電話してみれば、いいのかな!)

 なんたる妙案、と膝を打ちたい気分になったが、こんな簡単なことにも思い至らなかった自分の余裕の無さが情けなさ過ぎる。握りっぱなしだった携帯のボタンをようやく押して、俺はコースケに電話をかけた。

『あいよ』
「お、おう、俺。コースケ、昼飯……」
『学食だろ?』
「あ、うん……そうだよねぇ」
『なんだよ』
「あの〜。ううむ、なんつーか」
『待ってるから。早く来いよ』
「ちょっ……」

 コースケは「小山田はいるのか」「小山田も呼んでくれよね」「小山田くんに話があるから」とか……そういった俺の言いたいことも言わせず、あっという間に通話を切ってしまった。くそ、アイツは使えない駄目な奴だ!
 あーもう、どうしよう。学食行くのにも緊張しちゃうじゃない。小山田がいても、いなくても、どうしたらいいのかわからなくなりそうだ。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!