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おっぱいの話



なんだ?この感触は。むにゅ。指に力を込めるとそれの柔らかさが伝わった。



あぁ、終わった…



レイに用事があったんです。部屋にいたレイに呼び掛けて、開けてもらって、そしたら…恥ずかしい話、部屋の入り口の僅かなサッシに突っかかって、部屋にいたレイにダイブしてしまったんです。最後に見たのは珍しく驚いた表情のレイ。そりゃそうですよね、部屋に入るなりずっこけたオレに巻き込まれて転倒。
そして今、この手の平に余る柔らかな感触。


余談ですが…実は以前、胸が小さいのを気にしてか、自らの胸を持ち上げてため息を吐くレイを目撃していたため、この手に余る感触、にわかには信じ難かったのです。ですが、やはりこれは女性特有の柔らかさでありますよね。




「っ、ごめん!!」

事故とはいえ女性の胸を揉んでしまった、しかもレイの。この右手は乳を呼ぶ黄金の右手なのか、それとも死を呼ぶ呪われた右手なのか。ラッキースケベ。ふと、ヨウランがそう称したのを思い出した。でもラッキースケベも楽じゃない。きっとこのあとレイからの制裁がまちうけているのだから。女の子なら平手打ちか…、しかしレイともなると想像がつかない。まず、キャー!えっち!!バシン☆な展開はありえない。それだけで済むものか。冷めた表情で、死ね。って言うレイが脳内に現れて、オレの中の最有力候補にあがった。もしかしたら発砲されるかもしれない。ナイフで喉元を裂かれるかもしれない。MSでの出撃時に後ろから狙われるかもしれない。とにかくレイ相手にこんな狼藉を働いた輩の前例がないだけに、恐ろしい想像が広がってゆく。


「………シン、」
「はいっ」
覚悟を決めろ。まるでそう言われたみたいにオレは歯を食い縛った。骨一本で済めばいい、そんなことも考えた。



「退いてくれないか」
「あ"…」
しまった!ついこの後の衝撃に考えを巡らせすぎてレイにかぶさった態勢のままであった…!(しかしラッキーなのかアンラッキーなのか不明である件の右手はちゃんと封印してあったので自分的には○…!!)これでは狼藉ポイントに加算されてしまうではないか


「すみません今す、ぐ…」
まてよ…オレが退いたことにより自由になった身体で思いっきり技を仕掛けてくるのではなかろうか…
ぞわりと悪寒が走り、緊張が辺りを包む。
甘んじて受けねばならないのだ。これは全面的にオレが悪いのだから。だから、たとえそれが、女でありながら大男をばったばったと伸してきた、近接格闘術がとにかく得意なレイであろうと…

「シン、」
早くしろ、と言いたいのだろう。わかってる、わかってるさ…

覚悟を決めろ、男だろ!と己を叱咤し、恐る恐る離れ、たが………想像していた痛みは襲ってこない。



「…あ、れ?」

「どうした?」

「…いや、だってオレ…」
肩透かしをくらったように戸惑うシンにそれ以上問うことはなく、レイは何もなかったように立ち上がった。

「何か必要なものがあったんだろ?何がいるんだ」
と背を向けて端末をいじり始めてしまった。




「………なぁ、レイ。」

「………。」

「レイってば、」

「なんだ。」


「オレ、さわったよな?」

「………。」

「なぁ!たしかにオレお前のもがが…」

口を思いっきり塞がれてそれ以上声を発するのをさえぎられた。

「人が流してやろうとしたことをなぜ蒸し返す。」
喋るな、黙っていろ。
と手が離された。

「…でもさぁ…」

「〜〜っ、まだ言うかっ」

「いへっ」

語気荒く、今度は頬をつねられた。
少し頬を赤らめたレイが、オレのほっぺた掴んで引っ張る。どこの乙女だこいつ。

「ご、ごへんははい…。」

「わかったらさっさと要件を言え。」

「いてて……、ええと…なんだっけ」
なんかいろいろありすぎて吹っ飛んだ。
む、と眉根を寄せたレイは、忘れたならさっさと出ていけ。と入り口を指す。未だほんの少しだけど赤い顔のままのレイが珍しい。

そりゃそうだよな、いくらレイでも女の子だったんだよな。胸触られて平然としていられないんだ。
しかしこういっちゃなんだけど、意外と可愛い一面をみたなぁ。そこらの女の子より可愛い反応だぞ。 きゃー!えっち!!バシン☆ より可愛いぞ。ほっぺたつねって まだ言うか、この口はぁ〜! みたいなことされたぞ。可愛いのレベル高くないか?あ、しつこいですか。すみません。


可愛いついでに試してみた。黄金の右手を見つめる。

「気にするほど小さくなかったよ。」

「な"っ!?なんで知って…」

ボンッと音がしそうなほど顔を赤くしたレイ。だめだこいつ、可愛すぎる。
自分の周りの女はおっかないのばかりだと思っていただけに、まさかこんなに近くにここまで可愛いやつがいたとは。まさにダークホース到来。

これならこの前ビビらずにからかってればよかった…とか思ったり。


真っ赤な顔のレイが絞りだすような声でシン、と呼んだ。
散々からかったし、そろそろ鉄拳制裁だろうか、それにしてはレイはそわそわと目を泳がせている。

「それ…、本当か?」

「………?」

「その……、むね、が…」

「………。」


「…ちいさく……ない、かな…」







オレの想像をはるか上回った……
え、どうしよう。これどうすべきだ?





終わり




ほんとは顔面から突っ込んでほしかったです








あきゅろす。
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