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暗い室内、何もする気になれず寝そべったまま数時間が過ぎた。
アスランやメイリンを討ったことは紛れもない事実だから、周りからの非難するような、戸惑うような目にどうこう言うつもりはない。

ただ、疲れた。そう、今日は色んなことがあったから。


「シン、」
ドアの開く音と自分を呼ぶ声に目を向けると同室のレイの姿があった。
差し込む外の明かりに目を細め、なに、と返す

「後悔しているのか」
「後悔…?」
「アスランと…メイリンを討ったことだ。」
言いながらコツコツと足音をならして俺の寝そべるベッドに腰掛けるレイ

「別に」
レイの視線から逃げるように壁の方へ寝返りをうつ。すると髪に触れる優しい感触。
「俺が討てばよかったな」
「…なんで」
「…優しすぎる、お前は。」
「………優しくなんかないよ」


ジブラルタルでのレイと議長の会話。聞いておきながら俺はレイを見限ることが出来なかったんだ。

俺は、俺自身のためにアスランやメイリンを討ったんだよ、レイ。

レイを手に入れたいから。

「レイ、」
名前を呼んで振り返ると、そこには泣きそうな顔のレイがいた。すぐにいつもの顔に戻ったけど、それから言葉が紡げない

「…どうした?」
柔らかな笑顔でその先を促すように尋ねるレイに、何でもない、と返すと小さく笑って

「お前はよくやった。」
「………」
「周りが何と言おうと俺たちのやったことは正しかったんだ。気に病む必要はない」
「………」
「――議長だって、」
「レイ、」
「?」

議長はいいんだ、レイがいればそれでいい。
レイの言葉を遮り、おもむろに起き上がって腰掛けるレイと向き合う

「キスして」

突然の俺の言葉に一瞬目を見開いて驚くも、すぐにいつもの表情にもどる
「あぁ。」
少し体温の低いレイの手が頬を包むように添えられる

近くなる距離に目を閉じようとした瞬間、僅かに揺れるレイの瞳を見た

(なんでレイがそんな顔するんだよ、)
不意に高まったイラつき。頬に添えられた手を引き剥がし、乱暴に口付ける。
ガツッと歯がぶつかったけど気にせずそのまま舌を絡める。
唇を離し、大きく息をするレイの首筋に跡を残す

消えなければいいのに…、優しく指でなぞるとレイの身体が小さく反応する。
まるでそれが拒絶のように見えて、それを許さないように強く抱きしめる。
そっと背に回されたレイの腕を信じることはできないけど、俺は君が好きだから、


議長の指示で俺に抱かれるとしても、
その優しさが嘘でも、



絶対に離してなんかやらない









あきゅろす。
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