blunderer
就寝時間、照明が落とされ常灯のほのかな明かりが照らす室内。
何かの重みを受けてギシギシと音がなり、その音に潜むように小さな囁き声と乱れた息遣いが聞こえる。
「……レイ……っ」
シンの吐息混じりの囁きは甘く響き、
熱にうかされたような瞳で、きつく目を閉じたままのレイの指がシーツを握りしめるのを見つめる。
その合間もシンの身体は一定の間隔で前後に動き、
それに合わせて大きく押し広げられたレイの白い足が頼りなげに揺れている。
「…シ、ン……」
薄く開いた口元ゆるゆると動き、熱い吐息とともに名前を紡ぐ。
ゆっくりと濡れた睫毛を押し上げ、潤んだ瞳に見つめられて、それだけでたまらなくなる。
緩やかだった律動は次第に早くなり、逃げを打とうとするレイの肩を掴んで押さえつけ、激しく唇に噛みつく。
「ん、んん!あっ、あ…!」
「っ………レイっ」
濡れた声をあげ、シンの肩へと腕を伸ばし、自ら腰を動かしてシンのそれをきつく締め付けるレイにごくり、と唾を呑んだシンは、両手でレイ腰を掴んで、なおのこと激しく揺さ振った。
「ああっ…あ…くっ、…シン…!」
背を弓なりに反らしたレイの身体を強く抱きしめ、深く、奥でつながったまま何度も揺さ振る。
最後にひときわ強く突き入れたあと、レイの身体ががくがくと震え、シンはその強烈な締め付けに襲われ、レイの体内へ熱い飛沫を飛び散らせた――。
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パチッと目覚めた朝。身体がじわりと熱い。
(今のは一体……)
「シン、そろそろ起きないと遅れるぞ」
「………」
きっちりと詰襟を留めながら言うレイの瞳は先程のように濡れてはいない。
しばらくレイを凝視したまま動かなくなったシンに、
「どうした?」と尋ねるレイに顔を覗き込まれ、ボッと音が出そうなほどに顔を真っ赤にして布団に潜り込んでしまった。
「…おい、二度寝する時間はないぞ。」
「わ、わかってるよ」
布団から出ることなく返した返事にレイは小さく息を吐いた。
「俺は先に行くからな」
遅れても知らないぞ、と言外に含まれた忠告にシンは何も言わない。
シュッとドアの開く音にレイが出ていったことを察し、そっと布団から顔を出す。
嫌な汗が流れた。ブルリと肩を震わせ、先程の奇妙な夢へと思考を巡らせる。
下腹部は熱を孕んでいた。
(なんで。なんでなんでなんで……!?)
なんでよりにもよって相手があいつなんだ!?
1人ベッドの上でじたばたと意味もなく転がる。だからといって熱が治まるわけもない…。
とりあえず処理をしなければ、とは思うが、嫌でも浮かぶのは先程の夢だ。
あり得ない。レイはそんな対象じゃない。だって男だし…。綺麗な顔してるけど…!
(ないない、あり得ないよ。だって――)
レイがあんな…
と夢を思い出して、また熱が集まるのを感じる。
(いや、ちがうだろ、俺…)
ほとほと困り果てた末、今回だけだから!!と誰ともなしに言い訳をし、レイには心の中で謝っておいた。
夢 オ チ \(^O^)/
そして今後レイを意識しまくるシンちゃんとか、いいと思います
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