溶けちゃいたいね P
夏真っ盛り。
「っ、だーー!!暑い、暑いクソ暑い!!」
窓を開けていてもそよ、とも吹き込まない風。風鈴はお飾りと化し、セミの鳴き声は止むことがない。
ぱたぱたと服の胸元で扇いでみてもあまり効果はない。暑すぎる。
なんだってこんな…と背後で回っている扇風機をみると、首振りに合わせて左右にレイが動いていた。
「ちょ、レイ!!扇風機独り占めすんなよ!!」
「お前の課題が終わったら代わってやる」
扇風機の動きに合わせたまま、こちらを見もせずに風にあたっているレイ。
「こんなクソ暑いのに課題なんてできるかよ。」
扇風機の風もこないしー、と嫌みたっぷりに言ったのにレイは知らん顔。
「だったら扇風機は諦めるんだな」
「……てめぇ…1人で涼しげな顔しやがって…」
「涼しいはずがない。」
現に汗だくだ。と珍しく大きく開かれたシャツの胸元を指す。
確かに汗で長い髪の毛が首筋に張りついている。
色っぽいな、おい。
へぇー、そうですネとか適当に相づちを打って、首を流れる汗を舐めとってみる
「……やめろ。俺は嫌だぞ、暑いのに…」
「えぇー、何が嫌なの?ってか誘ったのそっちだし。」
「誘ってないし、暑い。離れろ」
「離れないー」
深く、深く唇を重ね、舌をねじ込む。
「っはぁ…、あっつー。」
「…っ俺だって暑い。」
「………暑いけど、止めらんないね。」
「同意を求めても無駄だ」
なんてツレないけど、
なぁ、いいだろ?とその場に押し倒せば特に抵抗もない。
触れる箇所はどこも汗でベタベタ、異常に熱い。
なんだか溶けてしまいそうで、それがいい。なんて思いながら。
「レイー、」
「……。もう、勝手にしろ」
とか言いつつ、肩に回された腕を合図にもう一度キスをした。
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